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第34回通常総会 会長挨拶

会長 村上 和彰 (九州大学)

こんにちは。ただ今ご紹介いただきました九州大学の村上です。

本日はお忙しい中、SS研の第34回通常総会にご出席いただきまして、どうもありがとうございます。

このSS研は、我が国の科学技術計算、とくにHPC、ハイパフォーマンスコンピューティングと呼ばれる分野を、賛助会員の富士通さんと二人三脚で引っ張ってきた、そのような会であると自負しているところでございます。これもひとえに会員の皆さまのご協力と日頃のご研鑽の賜物であると感謝しております。

このあと、このSS研の今年度の方針について議論いただきますが、この会は毎年80会員くらいで運営しているところでございます。皆さまもご承知のとおり、普通のユーザ会とは違い、学会に似たオープンな活動の場でございます。名前もサイエンティフィック・システム研究会ということで、科学技術計算寄りではございますが、教育研究現場におけるICTの活用や実際に教育等をどのように実施していくかといった幅広いテーマをオープンに議論しているところでございます。そういう意味では、ユーザ会という枠組みに捉われることなく、我が国全体のHPC、あるいはICT利活用の現場に価値ある情報を発信してきたとも自負しております。

本日もお手元に非常に分厚い冊子が用意されているかと思います。これは昨年度の様々な活動の成果でございます。そのほとんどが一般に公開されており、利用いただける形になっております。会員の皆さまにおかれましては、是非周りの方に、この成果をご活用いただけるよう宣伝していただければと思います。

さて、皆さまもご承知のとおり、HPC、あるいはICTを取り巻く環境は、物凄いスピードで変化しております。スーパーコンピュータひとつをとりましても、神戸に置かれております「京」がTOP500のTOP1を取っておりますが、それに対するアメリカや中国の追撃というのは、大変凄まじいものがございます。「京」に終わらせることなく、次にどう繋げていくかというところに、次のシステム等に関する検討も始まっているところでございます。ここのところにつきましても、文部科学省あるいは、理化学研究所の皆さまと一緒に、SS研も知恵を絞っていきたいと考えております。

また、このスーパーコンピューティング、HPCは第3の科学と言われているところでございます。このところ、第4の科学、所謂データ科学という技術が非常に発達しております。もっと分かりやすく言いますと、ビッグデータということになるわけなのですが、このビッグデータの活用、第3の科学と第4の科学をどう連携させていくかということも、今後のSS研のひとつの大きな技術的課題ではないかと考えております。

このような技術的課題のみならず、より現実的なところに目を転じますと、例えば、皆さまのところの研究機関あるいは大学等も参画されているかと思いますが、HPCIコンソーシアムができまして、我が国全体として、HPCインフラを今後、どう構築していくのか、あるいは、文部科学省におきましても、HPCI計画推進委員会等々が設置され、国全体としてのHPCのインフラを整備し、発展させていこうという取り組みがなされております。こういった動きに対して、我がSS研としても、どのように協力していけるか考えていく必要があるかと思っているところでございます。

本日は、このように周りの環境が変化している中で、おふたつの会員から基調講演をいただきます。先ずは理化学研究所 計算科学研究機構の機構長であります平尾先生からご講演いただきます。それから日本自動車研究所の小林所長からもご講演いただきます。平尾先生は今さら言うまでもございませんが、「京」の開発主体でございます。「京」の現在の状況、今後について、あるいはHPCを今後どのように持っていこうとされているかというところのお話をされるのではなかろうかと期待しております。一方、日本自動車研究所の小林所長からは、産業界でのスパコン、HPC の利活用に関するお話が伺えるものと期待しているところでございます。ご講演のあとは、先ほど申し上げましたとおり、今年度の活動方針につきまして、会員の皆さまのお知恵を拝借しながら、今年度の活動をどのように行っていくかということについて議論させていただきたいと思います。

本日は、先ほどの盛さんからも説明がありましたが、夜8時までの長い時間、ご一緒に議論し、年に数回ではございますが、懇親の場を持てるということでございます。皆さま、最後までよろしくお願いいたします。

本日はどうもありがとうございます。(拍手)

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