皆さま、こんばんは。先ほどの総会で新会長になりました村上でございます。若輩者でございまして、本日のようなSS研アーカイブというか、諸先輩方がたくさんお見えになっている前で、このような早い順番で挨拶させていただき、また、先ほど山本顧問のお姿を拝見いたしまして、大変緊張しております。
実は、私は富士通のOBでございまして、もともとは事業部でM-380、780の開発をしておりました。先ほど配布された「SS研30周年記念誌」を見て、自分が関与したマシンが載っているのを見ると、胸にじんと来るものがございました。今日の秋草会長のお話にもありましたが、イノベーションの切り口から見ると、サイエンティフィック・システムは、いろいろなシミュレーションを行って、その結果がものづくり、あるいは新しい発見に結びつき、イノベーションをもたらしてきたわけです。実際のシステム、コンピュータサイエンスや計算科学の方から見ますと、私が富士通にいた時代は、メインフレームとスーパーコンピュータがちょうどいい関係で両輪として廻っていました。その後、PC、ダウンサイジング、インターネットと、他所からイノベーションがやってきて、結局、サイエンティフィック・システムというものも、他所のイノベーションを使ってものを作る時代になってきました。PCクラスタがその代表かと思いますが、だんだんイノベーションも、テクノロジードライバがPCからもっと小さなエンベデッドコンピューティングというところへ移ってきており、今後のサイエンティフィック・コンピューティングがどのようになるのか、先ほどの消費電力ということもありましたし、体積などを考えますと、もう一度、ハイパフォーマンスコンピューティングというところからコンピュータを作りかえると新しいイノベーションが出来ていくのではないか、と思っております。今回のペタスケール、次世代スーパーコンピューティングの開発プロジェクトを見て、そういう期待を抱いております。
過去30年も非常に激動の時代でしたが、これからもこの世界はまだまだ激動が続いていくかと思います。そういう時代におきまして、SS研会員の皆さま、富士通の皆さまと一緒に新しいイノベーションがここから生まれてくると考え、わくわくどきどきしておる次第です。今後とも皆さまと一緒に、イノベーションを起こすべく、汗を流していきたいと考えております。
本日は、SS研の皆さま、事務局の皆さま、本当におめでとうございました。今後とも、一緒にSS研をよくしていきたいと思いますので、よろしくご協力のほどお願い申し上げます。(拍手)