「京」が世界最高速計算機となってから早くも1年以上が経ち、ペタフロップスを越える実効性能を持つアプリケーションが世界各地で動き始めました。すなわち、ペタスケールは早くも実用化に入りつつあり、今後のサイエンスの展開が注目されます。
HPC技術としては、「京」における実アプリケーションから大規模PCクラスタ及びGPUを用いたコモディティベースのシステムとアプリケーションまで、順調に発展を遂げています。このような状況の下、今回の科学技術計算分科会では、「京」を用いて今年のゴードンベル賞ファイナリストに選ばれた計算宇宙物理アプリケーション、同じく「京」上のミクロからマクロスケールまでの心臓シミュレーションという、「京」によって拓かれる2つのサイエンスに関する講演の他、GPUによる様々な演算加速手法を中心としたアクセラレータ技術WG成果報告、そして「京」における並列処理の要であるMPI通信に関する講演を用意しました。
また夜の懇談会では『「京」のここが好き!ここが嫌い?』というテーマで、「京」におけるプログラミング・アプリケーション開発・運用等、様々な視点から、「京」の素晴らしさ・今後改良すべき点についての自由な討論を行う場を設けました。モデレータである神戸大学の小柳義夫先生のリードの下で、ぜひパネリストと会場の皆様を交えた活発なご議論をお願いしたいと思います。