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会長挨拶

村上 和彰 (九州大学情報基盤研究開発センター)

おはようございます。2010年度の合同分科会にようこそお越しくださいましてどうも有難うございます。

ご承知の通り、昨今我々高性能計算を扱う者の周りの環境が変わりつつあります。従来のようにスーパーコンピュータを使って結果を出せばよいという時代ではなくなりつつあり、色々な説明責任を求められたり、またはスーパーコンピュータを使う環境をイニシアティブをとって整えていかねばならない、そういう時代に変わりつつあると感じております。

ご記憶の方も多いと思いますが、昨年11月の合同分科会の際に、事業仕分けの対象になった次世代スパコン計画に対し、SS研としても緊急声明を出そうということになり、皆様からも多くのご協力を頂きました。そして、様々な機関からもSS研と同様の意見があり、次世代スパコン「京」につきましては形を変えつつも継続するということで、今日に至ったわけでございます。

しかしながら、何の行動も起こさずにただこれまでと同じような活動をしていても、将来にわたって、教育活動、あるいは研究活動が今のレベル、あるいは今のレベルより上に向かっていくとは限らない状況にあるとも思います。

今回の合同分科会の中で、ひとつ提案させて頂きたいと考えていることがございます。これにつきましては本日懇親パーティの際にお話させて頂きたいと思いますが、我々としても積極的に意見を外に向かって言っていこうと考えているところでございます。

さて、本日の合同分科会ですけれども、この後大石先生から趣旨説明がございますが、「1000倍の世界」がテーマです。ご承知の通り、ムーアの法則は3年で4倍の集積度向上、性能向上を達成してきたわけですが、そのムーアの法則をしてでも10年で1000倍にはならない、3年で4倍なわけですから、1000倍にもっていこうとするためには15年程度かかるわけです。

これまで我々のシステムというのは、ほぼ10年で1000倍の性能向上を達成してきました。これは、単に集積度の向上だけでなく、数の、台数の向上もありました。さらには、質の向上もあったかと思います。例えば、記憶装置をみますと、ハードディスクからフラッシュメモリ、さらに新しい記憶媒体に移りつつある。こういう質の変化によって、データストレージの方では、計算性能以上の倍々ゲームを達成してきたのだと思います。計算性能の方も、これまでの二次元平面でのムーアの法則によるトランジスタの集積度向上だけでなく、最近では三次元方向、つまり縦方向に集積することによって、体積当たりの性能、あるいは機器間のデータ転送速度の向上も可能になってきております。単なる数の向上だけでなく、質の変化により飛躍的な向上が可能になるということです。

一方、そのようなハードウェアの性能向上だけでなく、使う側としては、プログラミングを始めとして運用の方が課題になります。こういう1000倍という非常に大きな性能向上の中で、どういう使い方をしていくのか、どういうプログラミングをするのか、使い勝手や使う側がどういうアイデアを出していくのかというのを求められていると思います。

これから、「1000倍の世界」ということで様々な講演が予定されておりますが、皆様の積極的なご議論を期待したいと思います。今日、明日の2日間、どうぞ宜しくお願い致します。(拍手)

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