ただいま紹介いただきました理化学研究所の姫野です。今年度、この会の担当幹事をさせていただいております。
実は、私は今週日曜日から火曜日までマウイ島でIESP(International Exascale Software Project)のワークショップに出ておりまして、合同分科会の昨日の分はほとんど聞けておりません。
当初、企画をしていくにあたって、10ペタフロップスの京がエクサフロップスになった時にどうなるかということで、100倍の世界という話も出ました。その時に、100倍ではインパクトが足りないのではないかということで、1000倍の世界をこの企画のテーマにしました。単にコンピュータのスピードが今よりも1000倍になるということだけではなく、インターネット、通信、ゲーム等々、1000倍になったら違う世界が開けてくるだろう。その時に一体どうなるのかをこの機会に考えてみようということで、この企画になりました。私自身、昨日の分は残念ながら聞けておりませんが、ビデオで録画させていただいたものを後でゆっくり観させていただこうと思っております。
今日のプレゼンテーションをお聞きした範囲で考えますと、やはり100倍ではなくて1000倍で企画して良かったとつくづく思いました。おそらく10倍の世界は今のちょっとした延長上にあって1、2年で実現するでしょう。ところが、1000倍になると単にここ数年だけのトレンドを見てその先を予想するだけでは済まず、過去10年、20年のトレンドを見てこの先の未来を見据えることになります。
ともすると私たちは10年前、20年前をすっかり忘れている。特に今日、村井先生が1995年がインターネット元年だと言われて、それを思い出された方、そういうことを意識された方はいらっしゃいましたか?既に各家庭にはブロードバンドのネットワークがあり、そんなものはもう当たり前であって、それがなかった世界なんて思い出せないと思います。ですから、ちょうど我々が今ここにいて、過去10年前、20年前にいったん想いをさかのぼり、これから先10年経った時にどうであるかということに想いをはせ、その長期的トレンドの中で、今あるいはこれから私たちはなにをやらなければいけないかということを考え直す非常に良い機会になったと思います。
企画委員側としては自画自賛になるわけですが、それぞれご参加の皆さんがこの二日間で感じられたこと、思われたことを、これから先の研究、あるいは開発に役立てていただければと思います。
それでは二日間に渡りいろいろな方々に講演いただき、ご講演者に対しては御礼申し上げたいと思います。
それから、SS研の事務局の方、会場設営にあたっていただいた方、その他関係していただいたたくさんの方にお礼を申し上げて、まとめの挨拶にしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)