名古屋大学太陽地球環境研究所
荻野竜樹
並列型スパコンFX1や HX600の利用により、地球磁気圏のグローバル構造とメソスケールの境界層渦乱流の自己無撞着な大規模高精度シミュレーションができる時代が訪れてきたが、その実現にはさらに高効率の並列計算コードの開発が不可欠である。ここに、キャッシュヒット率向上と多次元領域分割/一括転送による通信量最小化を可能にした高効率の 3次元MHDコード開発に成功し、FX1の 3072コア数まで 15-20%以上の実行効率を得ることができた。Flat MPIとHybrid (Impact)の比較では、Flat MPIが最速だったが、コア数によらず Hybridもよい実行効率を得た。通信速度と計算速度の比は 3072コアでも 4%以下であり、通信速度は 10万コア程度までボトルネックにならずにスケーラビリティが伸びることが期待できる。もちろん、実際にテストして実証する必要がある。
地球磁気圏のMHDシミュレーション、高効率の並列コード開発、多次元領域分割と通信量最小化、Flat MPIとHybridの比較、スーパーコンピューティング