日本原子力研究開発機構
平山俊雄
原子力機構では、計算科学を活用した原子力の研究開発を加速するために、本年3月には、Altix3700 Bx2(13TFlops)に替えて、国内最高性能となるピーク性能 200TFlopsの Linuxクラスターシステム(BX900)とピーク性能 12TFlopsの次世代計算機プロトタイプ機(FX1)からなる2種類のスーパーコンピュータを導入し、それらの運用を開始した。BX900は、旺盛な計算需要に応えるために、またFX1 は次世代計算機(京コンピュータ)の利用に向けた原子力アプリケーションのチューニングを目的としている。
BX900については、その利用開始後 3日目で90%を超える利用率を達成し、その後も高い利用状況が続いている。これは、原子力計算科学研究者が数千コアを用いた大規模並列計算コードの開発能力と利用技術力を既に兼ね備えていることを表している。次世代計算機向け原子力コードのチューニングについては、FX1を用いたプロファイリングデータに基づく性能予測を行い、1PFlopsまでの良好な並列性能を推定した。また、新旧3機種のスーパーコンピュータの基本性能を比較した結果についても言及する。
原子力計算科学、次世代計算機、ペタフロップス計算、BX900、FX1、ハイブリッド並列