分子科学研究所
吉田紀生
次世代スパコンの稼働が近づき、これまでにない"現実の系"の計算ができる時代が到来しつつある。次世代ナノ統合拠点では、次世代スパコンの性能を最大限に引き出し、これらの"現実の系"に応用できる、計算科学理論・方法論の確立と、それらに基づくソフトウェアの開発を行ってきた。とくに、3つのグランドチャレンジ課題(次世代ナノ情報機能・材料、次世代ナノ生体物質、次世代エネルギー)を達成するべく、6つの中核アプリケーション(実空間第一原理ナノ物質シミュレーター、動的密度行列繰り込み群法、大規模並列量子モンテカルロ法、高並列汎用分子動力学シミュレーションソフト、RISM/3D-RISM、高速量子化学計算ソフト)を設定し、理論・計算科学と計算機科学の連携のもと、次世代スパコンにおける高並列化、高効率化を行ってきた。本講演では、中核アプリケーションの一つであるRISM/3D-RISMの開発を例に、理論・計算科学と計算機科学の連携によるアプリケーションの高度化の現状と、いくつかの応用例を紹介する。
スーパーコンピューター、ナノサイエンス、RISM理論、3D-FFT