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会長あいさつ

九州大学
村上 和彰

  おはようございます。本日はお暑い中、多数お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
  さて、本日開催の本HPCフォーラムは、SS研の数ある活動の中でも貴重な会合、すなわちSS研会員以外の方にもご案内申し上げてご参加頂いておりますオープンな会合でございます。昨年もこの 暑い時期に開催致しましたが、振り返って見ますとこの1年間いろいろなことがあったと思います。例えば昨年の11月の事業仕分けでは、今日の話題でもあります次世代スパコンが仕分け対象となりました。我々SS研はこの事業仕分け結果に対すして大きな危機感を抱き、当結果に対する意見を昨年の合同分科会の席上で採択し、表明致しました。その時学んだことですが、高度な科学技術計算が国民の生活や経済、産業あるいは教育にどう貢献しているかということを、日頃から目に見える分かりやすい形できちんと情報発信していくことが重要だと再認識致しました。このSS研には科学技術計算に携わっている方が多数参加されていらっしゃいますので、成果を見える形にするということは我々に課せられたミッションではないかと思います。

  さて、この事業仕分けの後、いろいろな方針変更、路線変更がありました。すなわち、「次世代スパコン開発・運用」から「HPCインフラの開発・整備・運用」というふうに大きく舵が切られました。今後はこのHPCインフラという方向で、次世代スパコンを含めて、我が国に存在する様々なHPCシステム、ネットワーク等をどう連携し活用していくかが議論の的となっています。本日の最初のご講演にも関係する「エコシステム」という観点で、いかにしてHPCの世界で生態系を作っていくかということが問われているのだと思います。

  次にハードウェアの方を見ますと、ご承知のとおり「ムーアの法則」、最近では「モア・ムーア」ということでムーアの法則を越えて更なる高性能化が進んでいます。今日も「エクサスケール」が話題になるかと思いますが、ハードウェアは確実にスケールアップできていると思います。それよりも問題なのは、今日のテーマでありますソフトウェアの開発をどうやっていくかだと考えています。一般的にソフトウェアの方がハードウェアよりも開発が容易であると思いがちですが、実はまったく逆である、ソフトウェアの方が非常に開発が大変だということが、ここ数年で再認識されたのではないでしょうか。今後のSS研あるいは HPCに関わっている皆さんのひとつの大きな技術的な課題として、持続性のあるシステムというのはどのような形であるべきかについて考える必要があると存じます。と申しますのも、システムの形がコロコロ変わるとソフトウェアもその影響を受けます。ソフトウェアを システムに合わせて新規に開発するのは困難になっていますので、10年後、20年後も持続可能なシステム構成を打ち立てて、それを前提としてソフトウェアを開発していくことが重要ではないかと思います。本日はそのような点についても議論できればと思っております。

  挨拶が長くなってしまいました。先ほどのエコシステムに戻りますが、「Extreme Computing」というテーマで最初のご講演がございます。非常に楽しみにして参りましたので、このへんで司会の三浦先生にマイクをお返ししたいと思います。本日は夕方まで皆さんよろしくお願いいたします。(拍手)

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