東北大学 サイバーサイエンスセンター
後藤 英昭
大学等のキャンパス無線LANには、認証の信頼性や運用面に関して、商用の公衆無線LANとは異なった問題が多数存在する。近年、授 業・会議等における教職員・学生の大学間の移動に対応するために、キャンパス無線LANの相互利用環境が求められている。欧州で開発されたeduroamは世界規模で利用されているローミングシステムであり、日本でも2006年に加盟した。現行のeduroamには幾つかの問題が指摘されており、ゲストネットワークの分離や利用者のロケーションプライバシーの問題などが近年の関心事である。
本講演では、キャンパス無線LANに特有の問題を紹介し、大規模ネットワークにおいて完全には信頼できない相手とローミングを実現する場合の問題点と対策例、およびネットワーク構成に対する要求を概説する。また、学内の部局が草の根的に無線LANシステムを構築しながらも、安全で使いやすい無線LANローミングを学内で実現できる、東北大学のユニークな取り組みを紹介する。
キャンパス無線LANローミング、eduroam (エデュローム)、認証連携、ロケーションプライバシー、VPNローミング方式