近年、画像・音声を用いたサービス、エンジニアリング設計/開発向けのPKGだけでなく、今や企業・研究活動に欠くことができないE-MAILなどの基盤アプリケーションについても、その取り扱うデータ量が急カーブで増加している。特に、オープンな環境での不特定多数のアクセスは組織が保有するデータの多様化をもたらし、その結果として非構造型データの量をますます伸ばしている。
このような環境の中、ミドルウェアからの透過的なアクセス、データ属性を意識しないアクセス、大容量データへの対応、適切なアクセス時間の確保、長期保存への備えなどがさらに求められ、従来の基幹系ストレージとは異なった新しいストレージソリューションが必要とされている。
これらの市場要求を実現させるために、ILM(情報ライフサイクルマネジメント)への取組みが進められているが、基幹業務で使用されるデータや著名なDBMSで使用されるデータ(構造型データ)に比べて、非構造型データはデータの管理(セキュリティ、アクセス、バックアップ等)やサービスなど多くの場面で問題が顕在化しており、現場にいる管理者への負荷も高まっている。
そこで、本WGでは、大学・研究所における代表的な業務データを洗い出し、分類を行った上で、それらをどのようなアプリケーションやミドルウェアで管理しているか、または管理すべきか、を検討するとともに、大学・研究所が目指すデータマネジメントを意識したストレージソリューションの明確化とその対応を検討する。
活動方針に沿い、2006年度には、研究機関および大学のデータ特性の分析、およびR&D関係の構造化データ/非構造型データの観点から整理、検討を行い、業務指向ストレージソリューションの明確化を行った。2007年度は、大学・研究所向けストレージソリューションにとって将来あるべき姿に向けた改善項目の検討および、備えるべき機能・構成を明確化しその対応を検討する。
また、前WG「ストレージを中心としたシステムマネージメントWG」での成果物であるストレージシステムマネージメントポリシー評価ワークシートについて、ユーザの利便性をさらに追求した「ストレージシステム導入時のチェックシート」として、管理者がより実践的に利用できるよう改良・作成を試みている。チェックシート作成については、サブWG活動とし、通常の会合とは別に検討活動を行い、2007年度内にSS研HP上で公開作業を行う。