スーパーコンピュータ「富岳」が本格運用に迫り,多種のスーパーコンピュータがメニーコアCPUを採用しメニーコア時代に突入している。
アプリ研究開発者にとっては、いまだに大規模コアの有効利用には様々な困難が伴う。その問題解決のためには、コンパイラ等のシステムソフトウェアと協調して性能最適化を行う知識と技術が利用者に求められるほか、システムソフトウェア自体の自動性能チューニングも必要である。
そこで本WGでは、A64FXのARMプロセッサ環境、及びポストFX1000を視野に入れた環境を対象に、コンパイラ、メッセージ通信ライブラリ、性能解析ツール等の改善点について議論し、そのノウハウの集約と共有を行う。
以下の3段階に分けて、2年間のWG活動を実施していく予定である。
前半3〜4回で、A64FXを対象として、メニーコアプロセッサの性能評価やシステムソフトウェア改善について議論する。具体的には、推進委員が所有するアプリケーション等を中心に、現在のA64FXシステムの問題点を洗い出す。また、新しいアプリケーション分野(例えばAI)についても検討する。
中盤3〜4回で、前半で洗い出された問題点を考慮し、富士通が提供するコンパイラ等の問題点・課題点に対して評価検討を行う。最終的には、現存するA64FXシステムのための利用者マニュアル、コンパイラ機能を含めた改善について検討する。また、現存のA64FXにはない機能等について、ポストFX1000を視野に入れたシステム環境での議論を行う。
後半2回で、取りまとめた結果を成果物としてまとめ、2022年度 SS研科学技術分科会のイベントにて成果報告を実施する予定である。
成果物として、「利用者視点によるコンパイラ機能改善」、「A64FXプロセッサの利用技術」等を想定している。