大学の組織評価が進行する中、それぞれの大学において「研究」と「教育」のバランスを高い次元で維持確保することが、強く求められている。また大学全入時代を迎え、大学教育の質の保証と向上は、避けて通ることのできない課題でもある。このような流れの中、従来にもまして「教育」についての議論が盛んになってきている。今回、「教育環境」にその活動の中心があることを明確にした名称変更を行い、今までにも増して「ICT(Information and Communication Technology)を活用した教育とその環境」についての議論を深めることとした。
特に、今年度は教育の質の向上を目指した教育手法とその効果をテーマに、2回の会合を予定している。ここで取り上げる教育手法には、問題解決型授業等の講義における教育の手法や、教育効果の評価手法が含まれることは当然であるが、それに加え「教育環境」として学生の勉学意識向上や、大学への帰属意識醸成をも視野にいれた取り組み、さらに大学卒業後も母校との関係を維持するための取り組みなど、広い意味での教育環境がもたらす"効果"について考察を深めていく。
今年度より分科会の名称を変更したものの、前年度までの取り組みを本質的には継続し、大学入学前から大学・大学院在学中、さらには卒業後・修了後を含めた教育環境全般についての事例紹介等を通じて、会員組織における教育活動に資する情報提供を行うとともに、次代のICT活用教育のあり方についても意見交換を進める。