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SS研HPCフォーラム2016 [開催済]
ポスト「京」の挑戦 〜サイエンスの未来〜

分科会レポート  
日時 2016年8月26日(金) フォーラム 10:30-17:20 / 懇親会 17:35-19:00
場所 汐留シティセンター 24階 富士通株式会社 大会議室map
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能
定員 200名(予定)
参加費 フォーラム:無料 / 懇親会:\500 (当日お支払い)
参加申込み
開催済
その他

開催趣旨

 スーパーコンピュータ「京」は2011年の稼動開始以来、様々な成果を挙げてきました。しかし世界の趨勢の変化は著しく、「京」を越えるコンピュータは「神威 太湖之光」を初め既に4台を数えます。この状況の中で、我が国でも計算科学のさらなる発展を図るためにポスト「京」の開発と利用の準備が進められています。
 本フォーラムでは、今年度始まったポスト「京」のための9重点課題をそれぞれ担当される方々から、その目指すところをお話しいただくパネルを企画いたしました。また計算結果から知見を抽出するための可視化技術についても講演を伺います。合わせて、最近急激に発展しつつあり、HPCとも関係の深いDeep Learning(深層学習)についての講演も企画しました。今年のSS研HPCフォーラムでは、サイエンスの未来を拓くポスト「京」の挑戦について参加者とともに考えたいと思います。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

09:45-受付
Session1 [司会]姫野 龍太郎 (理化学研究所)
10:30-10:40
会長挨拶
松尾 裕一 (宇宙航空研究開発機構)
開催趣旨説明
小柳 義夫 (神戸大学)
10:40-11:40
講演 50分
Q&A 10分
講演
深層学習とコンピュータアーキテクチャ
丸山 宏 ((株)Preferred Networks) プロフィール

深層学習は、計算速度とデータ量の飛躍的な進歩によって、もともと知られているニューラルネットワークのアイディアを再発見したものと言える。その意味で、深層学習による統計的機械学習の革新は、量の変化が質の変化を産んだものとも考えられるだろう。深層学習はその性質上、今までの計算とは異なるワークロードを要求する。そのため、GPGPUを始め、新たなアーキテクチャが模索されつつある。本講演では、それらの試みを概観する。

深層学習, コンピュータアーキテクチャ, GPU
11:40-12:40
講演 50分
Q&A 10分
講演
そのシミュレーション結果、「正しく」「楽しく」可視化しませんか。
瀬尾 拡史 ((株)サイアメント) プロフィール

HPCを活用した数々の素晴らしい研究成果。もちろん、研究そのものに貢献することが何よりの目的ではありますが、せっかくそこに数値データがあるならば、「正しく」且つ「楽しく」可視化することで、より多くの方の目に触れるようになります。それは単に広報としての価値だけにとどまらず、新たな共同研究になったり、或いは「わかりやすい」可視化によって、今まで気づかなかった新たな示唆を得られることもあります。数値データをどのように可視化・映像化したのか、その制作秘話をお話しします。

可視化, ビジュアリゼーション, UT-Heart, 3DCG, 医療
12:40-14:00 休憩(80分)
Session2 [司会]南里 豪志 (九州大学)
14:00-16:10
130分
(途中10分休憩)
パネルディスカッション
ポスト「京」重点9分野がめざすもの
■コーディネーター:
庄司 文由 (理化学研究所) プロフィール

今年のHPCフォーラムでは、開発が進むポスト「京」を用いて世界を先導する成果を期待されている重点課題9課題の方々にご登場いただき、それぞれの課題における現状と将来展望、さらにはポスト「京」への期待について語っていただきたいと思います。

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■パネリスト:
課題1:生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築
奥野 恭史 (京都大学) プロフィール

重点課題1では、ポスト「京」の演算能力を最大限に活かす分子シミュレーション技術(分子動力学計算アプリ)を開発し、生体内分子の長時間(ミリ秒レベル)の動きを捉えることで、生体分子システムの時間的空間的機能解析を実現する新たな分子生命科学の開拓と次世代創薬計算技術の開発を目指す。さらには、創薬計算フローを統合化したシステムを開発することで、高精度かつ超高速の革新的な創薬計算基盤の確立を目指す。

創薬, 分子シミュレーション, 分子動力学計算, 副作用, 分子間相互作用
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課題2:個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学
久田 俊明 ((株)UT-Heart研究所) プロフィール

本重点課題2では、環境・生体時空間的にゲノムから全身を捉え、がん・循環器系・神経系など全身の疾患に対して、病態の理解と効果的治療の探索法の研究を行い、その成果を個別化・予防医療へ還元する統合計算生命科学の確立を目的とし3つのサブ課題、A「大量シーケンスによるがんの個性と時間的・空間的多様性・起源の解明」(宮野 悟)、B「データ同化生体シミュレーションによる個別化医療支援」(和田成生)、C「心臓シミュレーションと分子シミュレーションの融合による基礎医学と臨床医学の架橋」(久田俊明)を実施している。本講演では主にサブ課題Cにつき説明する。

大規模データを解析, ゲノム, オッミクス, データ同化, マルチスケール
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課題3:地震・津波による複合災害の統合的予測システムの構築
堀 高峰 (海洋研究開発機構) プロフィール

重点課題3「地震・津波による複合災害の統合的予測システムの構築」では、過去の経験にもとづく従来の被害予測手法の限界を超えるため、地震・津波の発生過程、地震・津波が引き起こす被害発生過程、被害が引き起こす社会経済活動の低下回復過程をそれぞれ、大規模数値シミュレーションベースの数値解析コンポーネントとする統合的予測システムを構築する。これにより、震動や津波だけでなく地震発生や社会経済活動の予測にも挑む。

地震発生, 地震動・地盤震動, 津波伝播・遡上, 群衆避難, 交通流, 経済活動
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課題4:観測ビッグデータを活用した気象と地球環境の予測の高度化
高橋 桂子 (海洋研究開発機構) プロフィール

重点課題4「観測ビッグデータを活用した気象と地球環境の予測の高度化」では、ひまわり8号のデータなどの観測ビッグデータを天気予測に初めて使用して、さらなる予測精度向上とより長いリードタイムを確保できる技術開発を最大のターゲットとします。特に豪雨や局所的大雨の現象の寿命を決定する物理的要因を解明し突風や土石流の被害に直結する要因の解明を目指します。さらに、台風の長期予測精度の向上およびPM2.5等の化学的動態特性の解明と予測の研究開発を実施します。

Extreme Weather, Weather Prediction, Big Data, Data Assimilation, Himawari-8
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課題5:エネルギーの高効率な創出、変換・貯蔵、利用の新規基盤技術の開発
岡崎 進 (名古屋大学) プロフィール

原子・分子のミクロな振る舞いが技術の中心的な役割を担っているため、課題の解決に計算科学の支援が不可欠となっているエネルギー技術について、大規模量子化学計算や分子動力学計算に基づいた研究を行っている。具体的には、太陽光エネルギーとして太陽電池、人工光合成、電気化学エネルギーとして二次電池、燃料電池、化学エネルギーとしてメタンハイドレート、二酸化炭素、触媒の研究、ならびにこれらの研究に不可欠なシミュレータの開発を行っている。

エネルギー, 太陽光, 電池, 量子化学計算, 分子動力学計算
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課題6:革新的クリーンエネルギーシステムの実用化
飯田 明由 (豊橋技術科学大学) プロフィール

我が国の自然エネルギー利用を推進するため、2030年には400万kwのウィンドファームの開発が計画されています。ウィンドファームの性能を向上させるためには、風車そのものの性能向上に加え、風車の相互干渉による発電量の低減、翼の疲労破壊、年間発電量の予測に基づく最適配置方法の検討が必要となります。本サブ課題では、従来の計算機環境では実現が不可能であったウィンドファームの全体解析、空力・構造解析による翼の寿命・安全性評価、風車性能向上のための流体制御技術を開発することを目標とします。

風力発電, 風車, 自然エネルギー, 流体・構造振動連成解析, 流体制御
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課題7:次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成
常行 真司 (東京大学) プロフィール

私たちの課題では、国際競争力の高いエレクトロニクス技術や構造材料、機能化学品等の開発を、大規模超並列計算と計測・実験からのデータやビッグデータ解析との連携によって加速し、次世代の産業を支えるデバイス・材料を創成することを目的としています。高機能半導体デバイス、光・電子融合デバイス、超伝導・新機能デバイス、高性能永久磁石・磁性材料、高信頼性構造材料、次世代機能性化学品、およびそらの共通基盤シミュレーション手法の研究を行います。

半導体, 超伝導, 磁石, 構造材料, 化学品
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課題8:近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発
加藤 千幸 (東京大学) プロフィール

HPCI戦略プログラム分野4「次世代ものづくり」では、京の性能を最大限に生かした大規模解析や多目的最適化の効果を実証した。重点課題8では、京のプロジェクトで明らかになった課題を解決し、実証研究の成果の実用化を加速するとともに、溶接や複合材料の製造プロセスにもHPC技術を応用し、ものづくり分野の主要な設計・製造プロセスを革新することを目標として、7本のアプリケーションの開発を進めている。

ものづくり, 設計, 製造, 超高速シミュレーション
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課題9:宇宙の基本法則と進化の解明
青木 慎也 (京都大学) プロフィール

重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」が目指すことは、素粒子から宇宙までの幅広いスケールにわたる様々な現象を精密に計算し、大型実験・観測と組み合わせて、素粒子・原子核・宇宙物理学全体にわたる物質創成史を解明することである。その目的を実現するために必要なポスト京に対する期待や要望も述べていきたい。

究極の物理法則, 宇宙開闢, 物質創成史, 物質変換, 宇宙進化, 広域宇宙観測データ
16:10-16:25 休憩(15分)
16:25-17:15
講演 40分
Q&A 10分
講演
ポスト京の開発の取り組み
新庄 直樹 (富士通(株)) プロフィール

理化学研究所様と共同で開発を進めている、「京」コンピュータの後継機、ポスト京の開発の取り組みについて紹介する。

京コンピュータ, ポスト京, ARM HPC拡張
17:15-17:20
閉会挨拶
深沢 圭一郎 (京都大学)
17:20-17:35 休憩・会場準備(15分)
17:35-19:00
懇親会
お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。(会費 \500)

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