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 2.2.第一回設計見直し(1999年11月)

 第一回設計見直しでは、「PE括り付け緩和機能」、「残CPU時間制御機能」、「逐次パッキング機能」 を1999年11月末に導入している。

 運用開始後、非常に高い利用効率を実現しているが、PE#8〜PE#9で並列ジョブと逐次ジョブがSHARE実行されていることが原因により、優先順位の低い並列ジョブである d4の実行待ち時間が長くなる傾向にある。並列ジョブが占有して実行できるPE数を増やすことにより並列ジョブの待ち時間の短縮を実現している。
 しかし、逐次ジョブに割り当てられたPE数が少なくなるため、逐次ジョブを並列ジョブ用PEで実行する「PE括り付け緩和機能」、「残CPU時間制御機能」、「逐次パッキング機能」を導入し、並列ジョブ用PEで実行できる逐次ジョブ数の増加を図っている。

 設計見直し後のPE割り当てを表2.に示す。PE#0,4,a,bは逐次ジョブ専用であり16GBメモリを搭載している。PE#1,2,3,5,6,7,8,9は並列ジョブ専用である。ただし、 PE#1,2,3,5は「PE括り付け緩和機能」、「残CPU時間制御機能」、「逐次パッキング機能」により逐次ジョブでも使用される。


表2. VPP800/12 PE割り当て


 図4.に平均ターンアラウンド時間の推移を示す。問題となっていた並列ジョブ(d4)の実行待ち時間(1999/7〜10)が短縮されている。導入後(2000/1〜3)に並列ジョブ(d4)のターンアラウンド時間が長くなる傾向にあるが、これは優先順位の高い並列ジョブ(z4)の処理件数が多く(図5.)、優先順位の低い並列ジョブ(d4)にCPU、メモリが配分されないことが原因である。この問題は後述する第二回設計見直しで改善している。


図4. ジョブの平均ターンアラウンド時間



図5. 並列ジョブ件数


 「PE括り付け緩和機能」により実行されたジョブ数は、全ジョブ数の約10%である(図6.)。また、「逐次パッキング機能」は逐次ジョブ件数が多い時(1999/12〜2000/2)に機能している(図7.)。1999/11以降、逐次ジョブ用PEが減っているが、「PE括り付け緩和機能」、「残CPU時間制御機能」、「逐次パッキング機能」により、逐次ジョブへのPE割り当て数を増やすことにより、変更前のターンアラウンド時間を維持することに成功している(図4.)。


図6.PE括り付け緩和機能 実行ジョブ数



図7.逐次パッキング機能 実行ジョブ数



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