私情協では、上記のCCCの目的を掲げて、当面、(必ず参加するという意味ではなく)このようなことを検討するプロジェクトを発足させることにして、参加希望校を募ったところ、関東で19校、関西等で17校が手を挙げました。これに従い、この36校の代表者で2001年6月9日に第1回のプロジェクト会議を発足させ、CCCの目的とあり方に対する意見、当面出来る可能性のある事業、解決すべき課題等の議論を開始しました。経験の深い大学からまったく初めての大学まで、理解のある大学からコンセンサスを得るのが困難な大学まで、積極的な大学から否定的な大学まで、千差万別でありました。
これらの討議を通して、肯定的な意見には、一般的なIT技術を用いた授業のメリットに加えて、
- 大学の場所が遠いので、諸大学と単位互換も含めて、遠隔授業等のニーズは高い。
- 個々の教育コンテンツに対して双方向性を持たせることで多様な学生に対応できるようになる。
- ある程度実益の上がるところから早急に実行したい。
- 我が国ではこれまで、個々の教員が取り組んでいる場合が多いので、このような試みは重要である。
- 教材等の電子化促進、共同開発に対して、期待が大きい。
- 著作権問題は深刻になるので、私情協で取りまとめて貰うのは有り難い。
等々がありました。一方、否定的な意見には、学内、各教員のコンセンサスを得るのが難しいと言った一般的な意見と共に、
- マンツーマンの指導が根底にあり、教育の画一化に繋がることが危惧される。
- 個々の大学・学科でレベルが相当違うので、一斉授業の遠隔配信にはどれほど効果が上がるか疑問である。
- 教育現場のコンテンツは、多くは未完成で絶えず変化していくもので、一般公開できる状態ではない。
- 個々の大学で取り組むべき問題で、私情協が実施する必要はないのではないのか。
等々の意見が出ました。その中で、
- 学生の質問に7割程度は答えるエキスパートシステムを構築してはどうか
- 各テーマに関して、さまざまなグループを構成して、共同研究・開発をしたらどうか。
- Webベースの小テスト実施と解析システムの共同開発はどうか。
- ハード、ソフト、コンテンツの標準化を考えたらどうか。
- 教養系科目、基礎情報系の授業をサポートするようなコンテンツから始めたらどうか。
- 有益なリアルタイム型遠隔講義モデルの提案を目指したらどうか。
等々の提案もなされました。
現在、私情協では引き続きCCCのプロジェクト会議を開催中で、第2章に例示した10個の当面の具体的イメージに対して、参加各校の意見を徴集しました。その結果、参加の意思有り、または参加に肯定的であると言った意見の方が、不参加または保留と言った否定的な意見より多かった項目は5割を超えており、1、3、4、5、6、9、でした。一方、否定的な意見の方が多かったものは、8、10の2項目であり、それ以外の2、7の項目は半々でした。