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5.おわりに

 「データマネジメントを意識したストレージソリューションWG」の活動報告書として、ここに「データマネジメントを意識したストレージソリューションWG 検討結果報告書」をお届けする。
 ストレージシステムは、どの情報システムにも搭載されている重要なシステムである。その機能は単純であまり表には出てこないが、システムの性能を決めてしまうほど大きな能力と影響力を持っている。最近ではちょっとしたSOHOの現場でも大容量のストレージシステムが活躍しているが、本報告書で扱うストレージシステムは特に研究所や大学といった大規模・高速・高可用と言われているシステムを対象とした。しかし、ブロードバンドの普及によりインターネットが家庭に入り込んでいる状況を考えると、一般ユーザもすぐに「ストレージシステム管理・運用の悩み」に直面するに違いない。それは、家庭用ストレージシステムの低価格化と、そこで扱うデータのほとんどが本報告書でも扱ったメールやWebのような非構造型データであるためである。もしかしたら「あの時使ったファイルはどこか?」とか「○○と△△は関連しているファイルなのか?」といった大量のファイル要求の嵐にすでにSOHOや一般家庭が巻き込まれているのかもしれない。
 本WGでは、普段からストレージシステムの管理・運用に悩んでいる3研究機関と2大学を題材に、ストレージシステムの設計段階からデータ廃棄までの一連のマネジメント業務と機能の検討を行った。この中には近未来の一般家庭のストレージシステムに当然のように搭載されるであろう機能もあるだろうし、その逆に、その時代に応じた最先端の研究用途にのみ適用可能な機能もあるだろう。しかし、この段階でどのようなストレージシステムにどのようなマネジメントシステムが適合するかを検討するのは大変重要なことである。それは、ストレージシステムが日々進化、高性能化しており、その方向性をいまこそ決定していく必要があるためである。もう一つ高い視点から、すなわち「データマネジメントを意識したストレージソリューション」をいま検討すべきと考えたからである。
 また、本WGはサブWG活動として「ストレージシステム設計・導入にあたってのガイドライン」をとりまとめ公開した。本報告書の別冊として添付するこのガイドラインは現在のストレージシステムの管理・運用に携わる技術者のために編纂したものである。特にこれから最新のストレージシステムに挑もうとしている若い技術者に対してより実践的に利用してもらえるよう、できるだけ新しい技術と用語を盛り込んだ。時間が経てばその内容は古くなってしまうかもしれないが、各項目のコンセプトはぜひ読み取っていただきたい。サブWGに参加していた時はあまり気にしていなかったが、今思うとこれもいますべきことの一つだったと思っている。
 さて、このWGは多くの方に支えられて活動することができた。前WGの会員側まとめ役だった松澤 照男先生(北陸先端科学技術大学院大学)には忙しい中、毎回WGに参加いただき貴重な意見を伺うことができた。研究所の大規模システムについて深い洞察をしていただいた水本 好彦氏(国立天文台)、黒川 原佳氏(理化学研究所)と担当幹事の鈴木 富男氏(理化学研究所)にも感謝する。また、特にサブWGの活動を支えていただいた藤田 直行氏(宇宙航空研究開発機構)、長谷川 忍先生(北陸先端科学技術大学院大学)の活躍は素晴らしいものがあった。さらに、最新の製品技術の紹介には森屋 光弘氏(富士通渇ネ学ソリューション事業本部)並びに服部 和徳氏(富士通潟Xトレージシステム事業本部)をはじめとする各事業部の方々の協力が不可欠であった。そして、WG活動全体の調整をしていただいたサイエンティフィック・システム研究会事務局の平沢、簗瀬、原の3氏にも大変お世話になった。感謝する。
 読者には、本報告書を通してストレージシステムとそのマネジメントの重要性をあらためて認識していただくことに期待したい。

磯 直行(中京大学)

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