ストレージソリューションにおけるデータマネジメントの重要目的の一つは格納されたデータがそのままの状態で参照できることを保障することであり、これをデータプロテクションと呼ぶ。
データプロテクションは、ストレージシステムの大容量化、および格納されるデータ特性や種類の多様化により、ディスク全体のバックアップから始まり、個別データのアーカイブによる選択的保護、さらに更新されたデータのみを自動検出して保護するまでに発展している。
データプロテクションの機能は、RAIDによる実装からデータバックアップソフトウェア、リモートコピー、アーカイブなど、ストレージソリューションを構成する様々な機能レイヤで実現している。なかでも、データバックアップソフトウェアは早期から整備され、対象とするデータは、データベースやファイルシステムだけでなく、メールボックスやリポジトリなどへ拡張されている。
これらの技術は、保護すべきデータの選択、データ保護レベルの客観化、保護処理プロセスの自動化とカスタマイズなど、ITシステムにおけるデータ処理量の拡大と運用管理の複雑さに対応するITインフラ管理技術の方向性と一致している。