８．ハイブリッド昆虫ロボット

　昆虫の一部を人工物に取り付けて、全体としてロボットに仕上げるという試みもしている。これをハイブリッド昆虫ロボットと呼んでいる。たとえば、昆虫の感覚器は、人工的に作ることができるセンサに比べると、遥かに感度が良い。これを利用しようというわけである。これまでに作成したものの例として、ハイブリッド蚕蛾ロボットがある。これは、車輪付きの移動ロボットに、蚕蛾から切り取った触覚を取り付け、これから得られる電気信号で移動ロボットのステアリングを行わせるものである。雄の蚕蛾の触覚を用いたので、雌の蚕蛾のフェロモンを追跡させることができた。これをガス漏れセンサシステムとして応用する試みもされている。また、昆虫の脚などの筋肉は、人工的には到底作ることのできない素晴らしいアクチュエータと言えるので、これをマイクロロボットに利用する試みも行われている。