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4.外骨格構造とマイクロ技術

     昆虫ロボットは、昆虫の構造を模倣するべきだと考えた。昆虫には、サイズが小さいからこそ有利になる構造上の仕組みが随所に見られる。表1に、従来作られて来た人間型ロボットとの相違点のいくつかを示した。
     昆虫は、骨と骨との結合が、ヒンジ状に膜でつながっているが、これは、摩擦力を小さくするのに役立っている。すなわち、人間の関節には必ず相対的にすべる部分があり、摩擦が無視できない。また、ヒンジ構造は、シリコンプロセスで作成するのに非常に都合がよいのである。
     たとえば、図3のような構造を容易に作ることができ、ポリイミドは熱硬化性樹脂なので、適当な角度に曲げて、加熱して、任意の形状を比較的自由に加工できるのである。折り曲げて硬化させるのである。シリコンプロセスで作成できるのは、基本的には薄板であって、ブロック材料を作り、これ削ったりして3次元構造を作ることはできない。したがって、2次元材料から、3次元構造を作り出す過程が必要なのである。そこで、「折り紙構造」というものを筆者らは提案した。すなわち、展開図をシリコンプロセスで作成し、折り線のところを図3のような構造にし、これを折り曲げて硬化させるのである。

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