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( 3 / 16 ) 写真5 メメックス(「LIFE」誌1945年9月10日号掲載のイラスト) ヴァニーヴァー・ブッシュが「私たちが考えるように」というエッセイで発表したのが、写真5の機械です。メメックスという名前が付けられています。メモリエクステンションということらしくて、要するに記憶の拡張装置という意味です。この機械は構想上のもので、実際には作られてはいません。デジタルコンピュータ以前の時代から考え始めていたので、アナログで、机の中にマイクロフィルムが入っていて、そのマイクロフィルムで検索装置を作ろうと思ったわけです。マイクロフィルムにドットを打って、そのドットを光で読みとってそこへジャンプするという仕組みです。本とか画像やドキュメントをマイクロフィルムにしてこの中に収め、必要なところへジャンプしながら情報を見ていく。2台のディスプレイ(写真下)があり、直接書き込むこともできるというわけです。
写真6 ブッシュのエッセイに添えられたウェアラブル・カメラのイラスト (「LIFE」誌1945年9月10日号掲載のイラスト) 写真6は、研究者が額にカメラをつけて撮影する機械です。今で言えば、一種のウェアラブル・コンピュータということになります。歩きながら、カシャッとカメラのボタンを押すと画像が撮影され、マイクロフィルム化してこれもメメックスに納めます。
写真7 ブッシュのエッセイに添えられたヴォコーダのイラスト。音声入力も考えていた (「LIFE」誌1945年9月10日号掲載のイラスト)
写真7はヴォコーダです。喋ったことを吹き込み、記録する。ブッシュは、音声入力も考えていました。画像や音声もあつかえる一種のマルチメディアマシンを作ろうと思っていたわけですね。
写真8 卒業製作「プロフィールトレーサ」(MIT所蔵)
写真8は、ヴァニーヴァー・ブッシュの卒業制作の機械です。学生のときに、この写真の機械を作った。手押し車の上に装置が乗っているだけですが、これをガラガラと押すと、押している人の辿った道筋や起伏が辿れます。本人は道筋が辿れることに興味があったととくに言っているわけではないのですが、明らかに一貫してそうした研究をしている。 |
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