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5.情報シナジーセンター

     東北大学情報シナジーセンターは、図-7に示すように大型計算機センター、情報処理教育センターの2センター(総合情報システム運用センターは学内措置で大型計算機センター内に設置)と、附属図書館の調査研究室(学内措置)及びシステム管理掛を組織統合して、全国共同利用施設として設置した7)。組織構成としては図-8に示すように、研究部と事務部の二部構成をとっている。研究部は、1)ネットワーク研究部、2)スーパーコンピューティング研究部、3)学術情報研究部、4) 情報教育研究部、5)先端情報技術研究部、の5研究部からなり、大学院情報科学研究科等の学部及び研究科と連携して研究開発を推進する。事務部は事務長以下7掛で構成され一般事務管理のほか、大学の事務局や図書館とも連携して、情報基盤の錫質的な運用を担当する。
    図7
    図-7:情報シナジーセンターの概念図

     情報シナジーセンターの人員構成はセンター長以下約40名強でしかなく、例えば、米国スタンフォード大学の分散コンピュータ・通信サービス組織等欧米大学の同種の組織に比べて人員は一桁少ない陣容である8)。大学の国際競争力が求められる今日、この質量両面に渡るMan Powerの格差が最も危惧される点の1つになっている。
    図8
    図-8:情報シナジーセンターの構成

     情報シナジーセンターは、前述のように図書館(University Library)、史料館(University Archives)、総合学術博物館(University Museum)、事務局総務部広報課情報公開室を疎結合した情報シナジー機構における機能統合の中心的組織(Central Facility)として位置付けられる。情報シナジーセンターが提供する機能は以下のとおりである。

    1. 先端研究支援機能
      スーパーコンピュータによる世界最先端の大規模計算機環境の提供。各種応用ソフトウェアの整備と高度利用環境の提供。
    2. 情報教育支援・情報技術支援機能
      全学教育、学部及び大学院の情報教育のための高度コンピュータ利用環境の提供。教育現場の情報化に対する最適な情報技術の利用支援。
    3. ネットワーク支援機能
      キャンパスネットワークの健全な運用と管理の実現。学内ネットワークの現状と先端ネットワーク技術を展望した次世代キャンパスネットワークの企画。セキュア(secure)なネットワークの構築・提供。
    4. 大学情報提供支援機能
      東北大学研究成果の中から生れた研究用マルチメディアデータベース(日本画像データベース:JAIDAS等)の提供支援。情報公開法に対応した電子的な情報公開機能の支援。学部・研究科と連携したFD(Faculty Development)9)の推進や近い将来には、インターネットを活用したVirtual Universityへの支援。
    5. 総合支援機能
      ヘルプデスク機能、インフォメーション・ナビゲーション機能、利用者講習会の実施等エンドユーザ支援。
    6. 研究開発機能
      先端情報通信ネットワーク環境の充実、大規模科学計算、情報教育環境の充実、学術情報の利用、教育・研究環境への先端情報技術の応用に関する研究開発。

       教育・研究における情報基盤には、大学の特徴、独自性の反映が不可欠であり、独創性を標榜する研究指向の大学としては、その情報基盤の整備、運用に責任をもって当たる必要がある。

    図9
    図-9:情報シナジーセンター各研究部の相互連携

     研究開発部には前述の5研究部を置き、情報基盤を更に発展させるために、臨床的研究とも称すべき実用化研究を継続的に行い、図-9に示すような研究部相互の連携をとりながらサービス現場に反映してその質の向上に努める。今後情報シナジーセンターとしては、最先端の情報基盤を整備し、更には次世代の情報基盤の育成を通じて次世代の先端研究を含む独創的な研究推進の環境を創生し、それによって卓越した情報教育ならびに電子図書館化を進めるともに、大学から地域の産業や市民への学術情報の発信機能を高め、学術研究や産業、文化の振興に対して貢献していくことを目指している。


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