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４．情報シナジー機構−機能統合と組織統合−
これに新たに前者の系には情報技術の調査研究や情報技術教育の研究を行うIT（情報通信技術）研究部、後者の系には情報公開法施行（2001年4月1日 ）に伴う電子的情報公開機能のための事務局広報課・情報公開室を加え、都合8つの組織が機能統合した「情報シナジー機構」を構想し、4つの委員会による1998年後半から2年半に及ぶ検討を経て平成13年4月1日に発足させた。図-5はインフラ系の正四面体とコンテンツ系の正四面体が合体して正六面体を構成する形を示したものである。
組織連携のアプローチのし方には、機能統合（function convergence）と組織統合（organization convergence）の2つがあるが、東北大学における情報シナジーセンターの整備を事例に、これらについて具体的に述べたい。東北大学には、既存の情報関連組織として、インフラ系の大型計算機センター、情報処理教育センター、総合情報システム運用センター（学内LANの運用管理と研究開発を行う学内措置による組織）とコンテンツ系の附属図書館、史料館（大学文書館）、総合学術博物館がある。
図-５：情報シナジー機構の概念
「シナジー」6)という言葉の意味するところは、このように既存の複数の情報関連組織が協働して個別の活動を超えた相乗効果を発揮しよういうものである。これは放射光の周囲に既存の研究所を配置する「セントラル・ファシリティ」と類似の思想のものである。なお、大型計算機センターを中心とするインフラ系組織は、平成13年度の予算措置を受け、組織統合して情報シナジー機構のコアとして「情報シナジーセンター」という新たな組織を創設した（図-6）。
図-６：情報シナジー機構の構成
このように、既存組織の機能を活かしつつ、新たな統合的機能を遂行するため、組織統合と機能統合を適切に組み合わせたハイブリッド型のアプローチをとっている。こうして、学内の情報資源の活用形態を1)第１層―資源層、2)第2層―支援層、3)第3層―活用層の3層に分け、全学的委員会組織と情報シナジー機構による情報基盤についての企画、運用、管理の体制を通じて、これら3つの層を有機的に結合し、先端的・独創的な研究及び高度な教育、地域社会への貢献といった大学としての役割を果たそうというものである。なお、本構想は総長補佐体制の強化とも関連し、第4の副総長（現在は総長特別補佐）が研究、国際協力、情報、図書館を担当するとともに、情報シナジー機構長、附属図書館長、史料館長、情報基盤委員会委員長を兼務する。
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