3.大学における情報関連組織の相互連携
それでは、大学における情報基盤の形成にはどうしたら良いのであろうか。現下におけるソリューションは、既存の情報関連組織が何らかの形で相互に連携することであろう。
大学において最も代表的な情報関連組織としては、計算機資源を提供する情報センターとコンテンツを扱う図書館がある。図-4に示すように近年のコンピュータの高性能化、ネットワークの急進展、デジタル資料の急増等から、利用者から見た情報センターにおけるコンピュータ利用のユニバーサル化と図書館利用のネットワーク化が、両者の利用態様を急接近させている。多くの大学においては、情報センターが保有する最先端の情報システム環境及び研究開発機能と、図書館が永い歴史の中で蓄積してきた大量の情報コンテンツ及び事務管理・サービス体制が相互補完的に合体することで情報基盤を形成することが適切であり、既にその機は熟しているのである。
図-4:情報センターと図書館の機能統合
更に若干技術面に言及すれば、従来のDBMS(Database Management System)は情報統合の道具にはなり得ず、分散されたデータやプログラムを統合したのはWeb技術であった5)。データベースの技術開発の方向は、Webとデータベースの連携で情報共有を行う新たなフレームワークの確立へと向かっている。今や画像などの内容検索(CBIR : Content-Based Information Retrieval )を含めたWebを中心とする大規模分散データベース技術が、大学内外の情報を結合する基盤技術ともなっている。