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3 NASA Benchmark

 NASA Benchmark について概略を述べる。NASA Benchmark は、NASA Ames Reseearch Center で開発された熱流体関連の科学技術計算(NAS:Numerical AerodynamicsSimulations) のベンチマークであり、本報告ではNPB(NAS Parallel Benchmark) を用いる。NPB は、5 つの主要アルゴリズムのカーネルと3 つの数値流体計算コード( アプリケーションコード:圧縮性流体を擬似的に計算) からなる。それぞれ、並列計算コードと逐次計算コードからなり、並列計算コードは、Fortran 77 とMPI 、逐次計算コードは、Fortran 77で記述されている。また、計算サイズも4 種類用意されており、用途に応じた計算サイズを用いることが出来る。計測結果として、Mop/s(Mega Operation per second) 値が得られる。この値は、ほぼMFlop/s と同等の値である。以下にプログラムコードの概要を示す。

●カーネルベンチマーク

CG正値対称大規模疎行列の最小固有値を共役勾配法により求めるプログラムである。ベクトル化や自動並列化が容易である。
EP乗算合同法によって一様、正規乱数を生成するプログラムである。並列で解く際に通信がほとんど発生しない。ベクトル化や自動並列化が難しい。
FTFFT を用いて三次元偏微分方程式を解くプログラムである。ベクトル化や自動並列化が難しいと考えられる。
IS大規模な整数値ソートを行うプログラムである。ベクトル化や自動並列化が難しいと考えられる。
MG三次元ポアッソン方程式をマルチグリッド法によって求めるプログラムである。ベクトル化は容易であるが、自動並列化は難しい。
●アプリケーションベンチマーク

BTブロック3 重対角方程式をADI 法を用いて解くプログラムである。
LU上下三角行列を対称SOR 法を用いて解くプログラムである。
SP5重対角方程式をスカラーADI 法を用いて解くプログラムである。

 以下では、問題サイズをCLASS W とA を用い比較検討を行う。CLASS W は小規模サイズ、CLASS A は中規模サイズである。例えばMG で、CLASS W は格子点数643、 CLASS A では格子点数2563である。

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