(2/8)2 Starfire の運用方針
北陸先端科学技術大学院大学では、1990 年の創立以来、"FRONTIER" と呼ばれる次世代の情報環境を目指した計算機・ネットワークを設計し、実現してきた。そのために、教官及び学生はもちろん事務部門に至るまで、一人1 台に近いワークステーションを配置し、これらを超高速のネットワークで接続している。また、各種サーバ類は一ヶ所に配置し、全学に対してサービスを行っている。
図1: FRONTIER の構成(拡大図)
図1 にFRONTIER の構成を示す。学内の教官や学生は、電子文房具として一人一台のワークステーション(Ultra5) が割り当てられており、通常の文書編集やプログラム作成は各自のワークステーション上で行なうことができる。各自のワークステーションで処理できない大規模な問題は、情報科学センター(以後センターという) の超並列計算機やベクトル型計算サーバを用いて解くことができる環境となっている。このような利用法におけるユーザの利便性のため、各ユーザのホームディレクトリはセンターのファイルサーバに集約し、アカウントを一つのNIS ドメインとして運用することにより、各ユーザは学内のどのシステムでも透過的に利用することができる。
ユーザが利用できる計算サーバや超並列システムとして、表1 のようなものがあり、ユーザは解く問題に応じて適切なシステムを自由に選ぶことができる。この中でStarfire はユーザのクライアントワークステーションとバイナリコンパチブルで同一のOS で稼働するため、システムに応じた最適化や再コンパイルの必要すらなく、ユーザからは極めて容易に大規模な処理を実行できるシステムとして位置付けられている。
表1: FRONTIER 内の計算機システム
システム名 CPU数 特徴 GP400S model 5 1 ユーザのワークステーション Starfire 32 Ultra5 と同一OS が稼働 VX-E 2 疎結合型ベクトルシステム Cray SV1 8 共有メモリ型ベクトル型システム Cray T3E 128 超並列処理研究用システム IBM RS/6000 SP 288 並列データベース研究システム