(8/8)8.今後の展望
現在、我々のセンターでも主なジョブは1PEを使う5時間以内の計算である。また、数十%のユーザーがベクトル化率数十%以下で、マシン性能を十分に引き出しているユーザーはほんのわずかである。例えば、もしGAUSSIANなどの市販ソフトがMPIによる並列化とLINUXに対応していれば、全ユーザーの1/3はPCクラスターに移行するのではないかと予想できる。このような状況から今後の計算機センター・ユーザー像を考えると
- PCの数十倍以上の性能を必要とするユーザー
- 分割しても1CPUあたり2GB以上を必要とするユーザー
- アプリケーションソフトを購入できないユーザー
- 計算機のハードやソフトに興味がなく、計算だけに徹したいユーザー
このうち、1)や2)を重視し、3)、4)をおざなりにしていると、使いやすさやコストパフォーマンスの点から1)と2)のユーザーは自力で専用のシステムを構築し、逃げて行きかねない。コストの高いHPC専用機は計算機センターとしても今後は選択できなくなってきている。
参考文献(1) http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/mpich/
(2) http://www.mpi.nd.edu/lam/
(3) http://www.beowulf.org/
(4) http://w3cic.riken.go.jp/HPC/HimenoBMT/index.html
(5) Gropp, W., Lusk, E. and Skjellum, A. : "Using MPI"; The MIT Press, 1994.