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5.現システムの導入に当たって

 レンタル予算化されて以来、4年ごとにシステム更新を行っているが、現システムの仕様策定を行った1996年度は、総合評価制度の導入や補正予算によるATMネットワークシステムの導入も重なった年度であった。
 このシステム更新におけるユーザの最大関心事は、16年間に渡り利用してきた汎用OSのサービスの廃止であろうと思っていたが、大した抵抗もなかった。これは、学術情報ネットワークの回線速度の向上によって、全国共同利用大型計算機センターの利用が快適になり、いざとなったらこれまでと同様、MSPのサービスは九州大学大型計算機センターでネットワークを通じて利用できるという安心感もあったのであろう。また、情報処理教育環境としては、前回(1993年1月導入)のシステム更新時にFM-R60HE2(i386、20MHz、5MBのメモリと40MBのHDD)を100台使用していた。これは、MS-DOSシステムで、表計算、Quick-BASIC、ワープロ、telnet、ftp、MSPフルスクリーン端末とX-Windowエミュレータで汎用機などのホストマシン利用を可能としたものだった。マルチウインドウ環境としては、UNIXシステムユーザの教官のみがX-Windowを使った教育を行っていたが、不満の多いシステムであった。この時のシステム更新においては、センターシステム管理者側としては、X端末でUNIXシステムのみの世界を導入したいという意見も強かったが、Windows95の急激な普及により、情報処理教育担当教官からの強い要望で、パソコンのマルチウィンドウ環境も導入することになった。
 このような中で、汎用OSのMSPのサポートを廃止し、UNIXサーバ1本で行くことを決定した。UNIXサーバの選択に当たっては、いくつかの方向性をもって望んだ。
 以上の観点から、システムの継続性からは、Solarisが稼働するサーバを条件とし、学内での利用価値では、小規模予算では実現不可能な大容量メモリ・大容量ディスク・アプリケーションの品揃え、運用管理機能からは自動負荷分散機能がスムーズに行えるSMPシステムを要望した。
 1996年の資料招請の結果、2種類のサーバが提案された。1つは、富士通「AP3000」もう1つは、クレイリサーチ「StarFire」であった。サーバの基本要件を満たしているのは、「StarFire」であったが、突然のSGI買収により、日本クレイ社の提案辞退となり、「AP3000」の提案へと話が進んでいった。結局、実際の入札においては、富士通からのU200(各ノード2CPUのSMP)ノードの提案で、「AP3000システム」が落札し、全体の計画を進めていくこととした。


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