ここに磁気ディスク開発で利用されているシミュレーションの例を示します。 磁気ディスク(HDD)装置はデータを記録するディスクとデータの読み書き用アクチュエータからなっています。
アクチュエータの先端にはディスク上へデータを読み書きするためのMR(磁気抵抗)ヘッドが付いています。 アクチュエータはボイスコイルモータにより制御され、ヘッドはディスク上のデータ読み書き位置へ移動されます。 アクチュエータを振動なく高速に移動するため、アクチュエータの固有値計算が行われます。 また、持ち運び可能なノートPCに使われる磁気ディスクでは、耐衝撃強度が要求されるため、衝撃シミュレーションが行われます。
アクチュエータの根元には、非動作時にアクチュエータを固定するためのラッチがあり、機構シミュレーションが使われます。 また先端のヘッドはディスク上を極低空で滑空しており、姿勢を保つための浮上シミュレーションが行われます。
またMRヘッドは電流をコイルに流し、発生した磁界を使いデータを読み取ります。 電流により熱が発生しヘッドの温度が上昇し、ヘッドには熱応力が発生します。 熱応力によりヘッドが寿命低下しないようシミュレーションを使っています。
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