[目次] [1ページ目] [前ページ] [次ページ]

( 2 / 9 )

2.知識創造支援システム

     知識創造支援システム第1版は、以下のような要素からなっている。

    ■知識創造アーク(産学連携教育研究サブシステム)  
    知識創造アークとは、社会に開かれた先導的知識創造センターとして、企業との共同研究や社会人教育研究の場を提供するためのシステムである。
    ■知識創造エア(研究環境支援サブシステム)
    知識創造エアとは、我々が日常「エア(空気)」を意識することなく生活するように、「いつでもどこでも誰でも」知識創造支援システムを利用することができる環境を構築しようとするものである。
    ■知識創造エンジン(知識創造エンジン・サブシステム)
    知識創造エンジンは、知識創造支援システムの核となる部分であり、すべてのシステムと結合してそれらを制御・管理する。知識創造エンジンは、高速のネットワークで結合された各種のサーバ群から構成されている。
    ■知識創造スタジオ(知識創造スタジオ支援サブシステム)
    知識創造スタジオは、バーチャルリアリティルームやロボティックスルームに必要な機器を整備し、各種実験ができる環境を提供している。
    ■知識創造フィールド(フィールドワーク支援サブシステム)
    知識創造フィールドは、フィールドワークでの取材に必要な機材や持ち歩きできるマルチメディア編集機器、取材によって得られたマルチメディア情報を知識創造支援システムに取り込むためのインタフェースを提供する。
    ■知識創造フュージョン(コミュニケーション・サブシステム)
    知識創造フュージョンは、知識科学研究科の特徴である、文型と理系の融合を促進するための環境を提供しようとする。ネットワークや内線を利用したテレビ会議システムや、講義風景などをマルチメディアコンテンツとして蓄えておき、いつでも必要なときに見ることができるVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムを提供している。
    ■知識創造ライブラリ(ライブラリ・サブシステム)
    知識創造ライブラリは、知識創造支援システムが提供するさまざまなマルチメディア情報を蓄積しておき、知識創造エンジンと組み合わせて効率よく利用できるようにする。
    ■知識創造レクチャー(講義室支援サブシステム)
    知識創造レクチャーは、講義室等の機器を整備し、知識創造エンジンと結合することにより、より高度な教育・研究環境を提供しようとする。オンラインのビデオカメラを設置し、講義内容を映像コンテンツとして蓄積したり、配信したりする機能を持っている。
    図2-1 マルチメディアデータベース・サーバ

    これらのサービスは、以下のサーバ類やサブシステムなどが相互に連携しながら働くことによって提供される。

    ●マルチメディアデータベース・サーバ
    マルチメディアデータベース・サーバは、知識創造エンジンの核となって知識創造に必要なあらゆる情報を蓄積し、提供するサーバ群である。
    (富士通 GP7000Model550 など)
    ●フロントエンド・サーバ
    フロントエンド・サーバは、知識創造支援システム全体を制御する。ユーザはWEBブラウザなどを使用して手軽に利用できるようにしている。
    (富士通 GP5000Model45 など)
    ●モデリング・シミュレーション・サーバ
    本サーバは、仮説などをモデリング検証するためのシミュレーションをおこなう計算サーバである。
    (富士通 GP7000F Model1000 )
    図2-2 モデリング・シュミレーション・サーバ
    ●可視化サーバ
    可視化サーバは、シミュレーションなどで得られたデータを3次元図形などで表示することができる。
    (SGI Octane など)
    ●VOD配信システム
    VOD配信システムは、マルチメディアデータベース・サーバなどに蓄積された動画情報などを、必要な時にいつでもどこでも見られるようにするシステムである。
    (日立 MediaHallなど)
    ●遠隔講義システム
    本学でおこなわれている授業や講演のもようを遠隔地でも見られるようにしたり、遠方の講師の先生にわざわざ来学していただかなくても授業が受けられるような遠隔講義システムである。
    (SONY iLink Unit など)
    ●高速ネットワーク網
    知識創造エンジンの各サーバ類を高速に接続したり、マルチメディア情報を高速で配信するネットワーク網である。
    (Extreme Summit7i など)
    ●無線LAN
    モバイルPCや電子掲示板システムなどで使用される無線LANで、知識棟全域をカバーしている。
    (MELCO AirStation など)
    ●位置検出システム
    位置検出システムは、知識科学研究科棟において専用バッジをつけたユーザがどこにいるかを検出するシステムである。
    (ELPAS社 EIRIS )
    ●学内掲示板(情報端末)システム図2-3 バーチャルリアリティ機器
    学内掲示板(情報端末)システムは、廊下やエレベータホールなどに大型のタッチパネル付きディスプレイを設置し、各種情報を表示させるシステムである。
    (RICOH MediaSite など)
    ●バーチャルリアリティ・システム
    本システムは、マルチメディアデータベース・サーバなどに蓄積された映像などを表示する大型ディスプレイ装置と、触覚などの感覚を提示するための装置などや、人間の動きなどをキャプチャする装置から構成されている。
    (日立 VRシステム など)
    ●モバイルラボ
    モバイルラボは、フィールドワークでの取材などにおいて必要な機材や、得られたマルチメディア情報を編集・加工・蓄積するための簡易なシステムを提供するものである。
    (SONY VAIO Note など)

[目次] [1ページ目] [前ページ] [次ページ]