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3.運用の方針と概要

 情報環境室では大規模システムの運用にあたり、主要な方針としてユーザフレンドリィを謳っている。つまり利用者に快適な計算機利用環境を提供すること、質問・要望に迅速に対応することを第一にしている。さらに巨大ジョブ、長時間ジョブをより実行し易くする為にCPU課金は行っていない。ただし、磁気ディスクリソースについては有限であるため利用容量に応じて段階的な課金を行っている。(表1参照)
 以上を基に具体的には会話型のジョブグループを用意しコマンドレベルによるジョブの実行を可能にしている。もちろん複数PEでの並列処理も可能である。また、多種のバッチジョブキューを用意しプログラムの規模に応じたキューの選択が可能である。少ないPE数での長時間ジョブや分子構造解析ソフトウェアGAUSSIAN等のアプリケーションに対する特別なキューも用意し、利用者の要望に応えている。
 現在の利用登録者数は約300名で、60 %の利用者が本研究所の外部からのアクセスにより利用している。本来セキュリティと利用の簡便さは常に背反するものであるが、このような状況の中でセキュリティは重要な問題である。本研究所ではフロントエンド計算機にアクセスする際にファイヤウォールを通過しなければならない。これは従来、計算機への接続、ファイル転送はユーザが自由に利用できてきたが、セキュリティ強化のため暗号化通信を行うツールによる接続、ファイル転送が必要となってきた。しかしユーザにとってこれは自分の端末パソコンやワークステーションにツールを設定し、今まで利用していたコマンドとは違うコマンドを使用するという負担がかかってくる。従って、セキュリティに関してはファイヤウォールを設け、認証サーバと連携した利用者認証の強化を図り、計算機接続、ファイル転送に関して、利便性を損なわない環境(今まで利用していたコマンドを利用できる)を構築した。
 ユーザ領域はフロントエンド計算機に確保しており、各ユーザ当たり1GBが利用可能である。ワーク領域はスーパーコンピュータに確保しており各ユーザ当たり10GB利用可能で、大容量の出力データの保持に使用され、必要な場合には各ユーザによりアーカイバに退避される。ユーザ領域のバックアップは、大容量アーカイブシステムにより、毎週末定期的に行っている。



■ディスク課金(1ヶ月当たり)

ホームディレクトリ
0円     0KB≦使用量<256KB 
1円  256KB≦使用量<1MB 
2円    1MB≦使用量<2MB 
:  


アーカイブディレクトリ
0円    0KB≦使用量<256KB 
5円  256KB≦使用量<100MB 
10円  100MB≦使用量<200MB 
:  

表1 


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