各機関は、システムの目的や状況変化に応じてストレージシステムをより使いやすくするため、限られたコストで最大の効果を狙い、様々な対応を取っている。各機関の現システムの状況から抽出した特徴を表3-3に示す。研究機関は大量の観測データや大規模シミュレーション入出力データがあるため、データ容量が大規模になっており、ストレージ接続形態はDASやSANが多くなっている。また、複数ファイルサーバを保有し、大人数でストレージシステムを共用することが多い教育システムではNASを選択されている。このように、各機関とも要件特性にあった、ストレージ接続形態やストレージの導入をはかっている。
項目 | JAXA | 天文台 | 中京大 | JAIST | 理研 | |
1 | データ容量 | 大 | 大 | 小 | 中 | 大 |
2 | ストレージ接続形態 | DAS | SAN | NAS | NAS | SAN+NAS |
3 | 観測データ提供 | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 |
4 | HSM | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 |
まずは各機関が現状のストレージシステム・データマネジメント導入時の課題に対してどのような対応を行ったかを代表的なデータ種別ごと(数値シミュレーション入出力データ、観測データ、ホーム領域データ)に以下に記述する。