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3.データマネジメントの現状とストレージソリューションへの期待

3.1.データマネジメントの現状

3.1.5.理研におけるデータマネジメントの特徴

3.1.5.2.シミュレーションデータ

 現在、理研で運用されているスーパーコンピュータシステム(RSCC)のデータ系ネットワークを図3-6に示す。RSCCはPCクラスタを計算資源の主力とし、ベクトル計算機やMD専用計算機を接続し、それらをシームレスに利用可能としたシステムである。RSCCのデータマネジメントとして特徴的なものは、データ処理系ストレージへのアクセス方法として4種類用いている。一つ目はFCによるSAN接続によるGFSによるアクセス、二つ目はNFSによるアクセス、三つ目はバッチジョブ処理用のPCクラスタの各計算ノードがユーザホーム領域をマウントせず、ジョブ実行前に必要なデータをローカルHDDにステージングし、ジョブ終了後ステージアウトするアクセス、最後にHPSSに対するアクセスである。
 本システムはいわゆる集中ストレージ領域(Home領域など)を全計算ノードからアクセスさせるI/O帯域を持たせるのではなく、計算ノードに接続されるHDDを有効活用することで、安価にI/O性能を確保することにある。ステージイン・アウトに要する時間もステージングを行うI/Oノードの数(現システムは8ノード)で調整可能である。現在の運用において、NFS領域へのアクセス性能が低いという本質的な問題はあるが、ステージング・システムはステージング時間という本質的な問題はさておき、運用上の問題は起きておらず、並列ジョブのI/O性能の振れも少なく、比較的安定で良好な運用性を保っている。
 しかし、全ノードからホーム領域が見えないことで、従来のPCクラスタからの移行においてバリアがあり、ユーザ、特に演算性能をサービスしている計算システムの利用に慣れていないユーザは使いにくさを訴える場合が多い。また、システムを構築する側から見るとI/O性能を如何に節約し、演算性能に振れるかも重要な構築指針である。今後計算システムのオンラインストレージを構築するに際して、I/O性能と信頼性と利便性とコストのバランスシートはもう少しストレージ側を考慮する必要があると考えている。

図3-6:RSCCデータ系ネットワーク図
図3-6:RSCCデータ系ネットワーク図

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