天文台では米国ハワイ島のすばる望遠鏡を用いて、2000年12月の共同利用観測開始以降、最遠方銀河の発見や銀河系形成過程の解明などに大きな成果をあげている。天文観測は原理的に再観測が不可能であるため、天文観測データの長期保存は学問上極めて重要である。コンピュータシステムには原本の保障やユーザへのデータ配布に関していくつかの工夫がなされている。ここでは、すばる望遠鏡で取得した観測データの生成から保存・提供までのコンピュータシステムの特徴を紹介するとともに現状の課題について考察する。