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2.ストレージソリューションの現状

2.1.ストレージソリューションの発展

 2006年度版 Gartner Dataquest レポート「ストレージ市場動向」を参考に、今後の需要予測を含めたトレンドを図2-1に示した。そこから読み取れる市場動向を以下に要約する。

  • ストレージ装置の出荷(需要)がDASからSANNASCASを含めたネットワーク型ストレージシステム(FAS)にシフトしている。
  • サーバに直接接続するDASのCAGR(2005‐2010)は5.1%にとどまるが、一方、FASとして認識されるSAN、NASなどのネットワークストレージの市場はCAGR(2005-2010)=11.5%で伸長すると予測されている。
  • ネットワークストレージ市場の拡大はストレージマネジメントソフトウェアの需要との相関が見受けられる。
  • ストレージマネジメントソフトウェアの内容としては、HSM、アーカイブ分野の伸長が30%と大きく、また、ストレージ管理と関連する情報管理ミドルウェアであるECMも相関的に拡大している。
図2-1:ストレージ市場のトレンド
図2-1:ストレージ市場のトレンド
(Gartner社 2006年度版レポートを基に富士通で作図)

 上記では、ストレージ業界全体のトレンドについて概観したが、以下に特徴的な技術動向の例としてEMC社のM&Aによる技術統合について考察する。
 2003年のEMC社によるDocumentum社の買収は、同社のソフトウェア化戦略を象徴している。同社から公表された技術系会社のM&Aは、図2-2に示すように20社に及んでいる。ストレージの品揃え(SAN、NAS、CAS)の完成後は、バックアップソフトウェア、コンテンツ管理ソフトウェア、仮想化ソフトウェアまでを統合し、EMC社はデータマネジメントに必要な技術幅広く取り揃えることに成功している。

図2-2:EMC社におけるストレージ関連技術の獲得状況
図2-2:EMC社におけるストレージ関連技術の獲得状況

 また、同社以外にも2006年のIBM社によるFileNet社の買収やOracle社によるStellent社の買収もEMC社と共通点がある以下のような戦略に基づく、企業行動であると考えられる。

  • 顧客のストレージソリューションへの期待が装置機能や性能からストレージに格納するデータをマネジメントする方法、ツール、容易性、管理対象規模に関する期待に変化しており、これを顧客要件として取り組むことを可能にするソフトウェア技術力の確保が重要であるとの判断がある。
  • データマネジメントに関するソフトウェア技術は、ストレージ管理ソフトウェア、バックアップ管理ソフトウェア、データ管理ミドルウェア、およびデータセキュリティ機能として認識できる。

 このように、一部のストレージベンダは、ハードウェアシステムのみならず、データマネジメントから経営に直結する情報マネジメントまで総合的なソリューションを自社製ソフトウェアとM&Aを通じて獲得した製品・技術によって提供してきている。さらにこれらのベンダは、個別の顧客要件に対しても、製品をコアにしたソリュ−ションやシステム構築サービスを一貫して提供できる能力を持っている。

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