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1.はじめに

1.1.背景とその活動内容

 情報処理性能の飛躍的な向上による科学技術計算の大規模化や、情報処理システムの入力元となる観測機器および測定機器の技術革新による高精度化によって、日々非常に大容量のデータが生み出されている。さらにブロードバンドの普及によりWebシステムなどにおけるデータのマルチメディア化にも拍車がかかり、これまでとは比較にならないデータ量の増加を招いている。
 このような環境の中、大学・研究所においては、大規模なストレージシステムが必要とされており、しかも、日常の教育・研究活動におけるデータの相互活用の重要性が高まっている。この為、これらのストレージシステムは、個々のサーバシステムに閉じて配置された分散形態ではなく、データの相互活用を意識した統合ストレージシステムとして構築されるケースが増えてきている。こうしたストレージシステムの要求要件の変化により、高速かつ高可用にストレージにアクセスできるという基本性能に加えて、如何にそのシステムマネジメントを実現するかについての期待も高まっている。
 このような背景から、2001年度より2年間の活動を行なった『ネットワーク時代の統合ストレージマネージメントWG』では、SAN/NASの技術動向とその融合した形態を調査検討し、その結果として、会員の機関をベースに研究所モデル2件/大学モデル2件を作成・評価した。この活動では、ハードウェア技術の進歩に焦点を当て、SAN/NASを利用したシステムの評価を実施したが、その一方、高可用性、運用管理、バックアップ、データ共用、ストレージの仮想化など、運用性向上を目指す「ストレージマネジメント」に関して、さらに深く掘り下げた議論が必要であるという声が強まった。これを受けて、2003年度より新たに『ストレージを中心としたシステムマネージメントWG』が発足し、2年間の活動を行った。ここでは、会員機関において、要求される管理・セキュリティ・データ保全・仮想化などのキーワードを基に、システム全体の問題点の洗い出しと分類整理を行い、ハードウェア/ソフトウェアを含めたストレージシステム全体として何が問題か、適切にマネジメントする上で何を考慮しなければならないかについて議論した。また、その結果を、ストレージシステム管理者が留意すべきポリシー項目として整理し、各機関がポリシー項目達成度を評価できるようにするとともに、他機関システムとの比較・参照を可能とすることに取り組み、「ストレージシステムポリシー評価ワークシート」を作成した。
 さらに、過去4年間の活動を受け、2006年2月より『データマネジメントを意識したストレージソリューションWG』として本WGの活動を開始した。
 本WGでは、大学・研究所における代表的な業務データを洗い出し、分類を行った上で、それらをどのようなアプリケーションやミドルウェアで管理しているか、または管理すべきかを検討するとともに、大学・研究所が目指すデータマネジメントを意識したストレージソリューションの明確化とその対応の検討を行い、備えるべき機能・構成を明確化しその対応を検討した。また、前WG「ストレージを中心としたシステムマネージメントWG」での成果物であるストレージシステムマネージメントポリシー評価ワークシートについて、ユーザの利便性をさらに追求した「ストレージシステム導入時のチェックシート」として、管理者がより実践的に利用できるよう改良・作成を行い、「ストレージシステム設計・導入にあたってのガイドライン」として冊子にまとめた。本活動は、サブWG活動と位置付け、通常の会合とは別に検討活動を行い、2007年9月11日にSS研HP上に公開した。なおガイドラインは、本報告書に別冊として添付している。

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