(株)富士通研究所 ITシステム研究所
久門 耕一
過去20年以上に渡り、CPUの性能向上は、周波数の向上と命令並列度の向上により達成されてきた。しかし、最近になり、周波数向上は鈍化し、一時的にせよ低下さえしている。周波数向上に代り、チップに搭載されるコア数の増加によって性能向上が図られる方向に転換した。特にPC クラスタのようにコモディティCPUを使うHPCシステムでは、このCPUの方向転換は重大で、この方針変更に追従しなければ、公称性能の向上とは裏腹に、実プログラム性能は低下する羽目になる。この変化に対応するには、プログラム側での対応が必要である。
アプリケーションはどの様にすれば、この「CPU の性能向上」を享受できるのだろうか? アプリケーション特性毎に可能・不可能が分かれるが、本報告ではマルチコアCPUから性能を引き出すために知っておく必要があるアーキテクチャの解説とアプリケーション特性について説明する
マルチコアCPU、SMP、 SMT、メモリバンド幅、GPGPU