News Letter「ドメイン名と紛争処理の現状」(8/17)

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もし自分が被害者だった場合、どうやって申し立て出来るのか、という成立条件について述べる。 ICANN uDRPが扱うものは、サイバ−スクワッティングのみと前述したが、サイバ−スクワッティングとはどういう状況なのか、ということでここに挙げた。

紛争処理の対象となる条件について、ポリシーのドキュメントを見ると、まず対象になるのは3つの条件が全て揃っていなければいけない(ひとつでも欠けていてはいけない)。 1は見た目で明確に判断できる。 2は訴える側が考えていることを証明として出さなければいけない。 3の不正な登録使用とはどういう状況かという例を、その下に4つほど挙げた。 これらはあくまでも例示であり、これ以外の状況があっても判断の対象になると思われるが、典型的なサイバースクワッティングの例ということでここに4つほど挙げた。 実際のポリシーに興味があれば、JPNICのWebに翻訳文も掲載しているが、少し長い説明になっているので、ポイントだけ挙げた。

1つ目の例は「実費金額を越える対価で転売することを目的に登録」。 明らかに先取りをして権利者に高く売るといった場合。 登録時の目的は想像しか出来ないが、実態としてどこかからある日突然何百万円でこのドメイン名を売りますよ、というオファ−があった場合にこの例の証明になるとされている。

2つ目「商標権者によるドメイン名使用を妨害するために登録し、そのような妨害行為がパタ−ン化しているとき」。 例えばあるサイバースクワッターが”toyota.com”というものを先取りし、しかし何もしない状態。 つまり、“toyota.com”を登録しているだけで、(株)トヨタに対して高額で売りたいとか、webサイトを作って誤認混同させる行為をしてない状況で、果たしてサイバースクワッティングなのか判断できない。 色々調べた結果、同じ登録者が”nissan.com”や”matsuda.com”も登録している。 登録しているだけで何もやっていない場合が、この例に該当。 1つだけ登録して邪魔している場合には、判断が難しくパネリスト次第と思われるが、明らかに2つ以上の第三者の権利を持っているドメイン名を登録している場合には、パターン化しているという判断に基づき、この2つ目の類型に当てはまる。

3つ目の例が「ライバル会社の事業を混乱させることを目的に登録」。 誰が登録したのか、というところがキーになる。 明らかにライバル会社が自社と対抗している会社の社名あるいはサービス名でドメイン名を登録し、何も使ってないとかあるいは誤認混同を招く使い方をしている、という場合。

4つ目は「ユーザの誤認混同をねらって第三者の商標でドメイン名を登録・使用」。 ドメイン名を使ってwebサイトを立ち上げているという状況が前提として考えられるが、明らかに、ユーザが誤認混同するのではないかという名前でwebサイトを立ち上げ、ユーザを引き込んでいるといった場合。
 

©Copyright 2001 by Toshihiro Tsubo

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