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9.まとめ −GRID、何ができ、何が見えてくるか−

    【松澤】
     予定では、討論会は12時15分までということになっておりまして、ほぼその時間が迫ってきております。これまでの話を私なりにまとめさせていただくと、ミドルウェアは重要ではあるが、逆に何でもそこに集中させるというのはまずいのかもしれません。しかし、そこに吸収させられるものがあれば、なるべく吸収して欲しいということですね。Webの類推から言えば、ユーザインタフェースとして、最初に出てきたMOSAICのようなアプリケーションに相当するものが望まれていることになると思います。また、GRIDで考えられているのは、シングルサインオンでユーザ認証がいかにでき、ユーザを管理すると同時にセキュリティを確保する方向のように思います。今後もこのような方向で、使いたいユーザがいつでもどこでも簡便にシステムが使えるようにして欲しいと思います。GRIDは、明確にこのような方向や目的をもっていることがわかりました。ただ、将来方向としては、コンセントに電源プラグをさして、ユーザが知らずに認証されるという恐ろしい世界になる、これは困ることかもしれませんけれども、何かこのような仕組みを作ることがGRIDであることが明確になりました。それよりも、もっと重要なことは、Webのときマルチメディアが見えた、こんどはGRIDになったら何ができ何が見えてくるのか、このようなユーザにとっての見通しが、非常に重要になってくるように思います。それは研究グループ、あるいは教育グループなどで、このようなシステムをつくり、実用化試験や実際の処理を積極的に行なっていただき、さらにこのようなシステムを大きく広げるためには、その向こうにある新しい世界が見えてくることがもっと重要ではないかと思います。パネリストの皆様、残された時間は僅かですが、何か言い残したことがあれば、お願いします。神沼先生、よろしいでしょうか。

    【神沼】
     振られるとやはりお話をしなければと思ってしまうのです(笑)。今日、議論できなかった問題に、著作権絡みのこと、意匠権絡みのことがあります。これは、教材共用では捨てておくことができない問題で、現行の法制度の中では解決できない問題がいっぱいあるわけです。それをこれからどうしていくかということも、ひとつ皆さんの頭に入れておいていただいき、いい方法を考え出していって欲しいと思います。そうすることによって、教育がしやすくなるということが言えると思います。その辺のお話は、ミドルウェアだけでは解決できない問題で、互いの外にありながら、両方が一緒になって解決に向いていくものだと考えております。別の機会にでも、是非、そういうところの議論をお願いしたいと思います。

    【松澤】
     神沼先生、どうもありがとうございました。
     それでは、今回の討論会は、これで終わりにしたいと思います。皆様のご協力、ありがとうございました。 (拍手)


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