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まず地上通信を例にとると、光ファイバ、そして地上通信大容量ワイヤレスネットワークを構築する際には、多くの基地局や中継装置が必要であり、必然的にインフラ構築コストも増大する。そして阪神大震災に代表される大災害発生時におけるサービスにも課題が残る。 一方、滞空しているため地上基地局設置コストがかからず、災害にも強い高高度飛行体は、無人飛行(地上パイロット1人で多数の飛行体の制御が可能)・完全無線という長所を生かして、リアルタイムでの火山活動観測も可能ということになる。 次に衛星通信であるが、通常の衛星軌道は地上から約3万km離れており、比較的近距離でイリジウム計画にも使われたLEO衛星でさえ、地上からの距離は約780kmである。上空2万m(20km)を飛行する高高度飛行体はこれらの衛星よりも格段に地上と近いため、強い電波によるデータの送受信が可能となる。つまり高品質なワイヤレスブロードバンドサービスを時差なく提供できるのである。それに加え、強い電波がケータイ・PDAなどの端末装置を小型化、低価格化へと導き、広く一般に受け入れられることにもなる。 カバーエリアに関しては衛星通信と比較して劣るが、1機数億円程度と予想される価格は様々な場面において柔軟性があり、応用が利く。例えば地価が高く、高層ビルの立ち並ぶ大都市で、通信・放送タワーの役割を果たすことや、従来の地上系・衛星系サービスを補完するものとして位置付けることなども可能で、TV塔の機能としてデジタルTVの中継地、次世代ITSの利用が期待される。 従って、高高度飛行体によるワイヤレスネットワークの特長は、柔軟性・低コスト・ブロードバンドサービスという3つのキーワードによって言い表すことができよう。 |
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