観測機器や計測機器の高精度化、および計算機処理性能の飛躍的な向上に伴い、ユーザアプリケーションを用いた解析により更なる高度な研究活動が推進されている。ユーザアプリケーションの実行においては、計算機間で共有されたファイルシステムの利用が主流であり、格納された入出力データをより高速に、より効率的に活用することが求められている。
現在、大規模HPCシステムではファイルシステムが多様化してきており、システム全体として効率的に運用するためには、ユーザアプリケーションやファイルシステムの入出力特性を最適化することが必要となっており、明確なファイルシステムの利用技術の確立が急務となっている。
更に、現状、ユーザ側においてアプリケーションの入出力パターンを調査する手順やツールについては標準化されておらず、ファイルシステムの性能を効率的に発揮するためのプログラミング指針も求められている。
このような状況を踏まえ、既存や次期システムにおいて、ユーザアプリケーションやファイルシステムの入出力特性を把握し、ユーザアプリケーションとの最適な組み合わせパターンやプログラミング指針を明確化することを本WGの活動テーマとする。
本WGでは、利用者と管理者の2つの視点からアプローチを行う。
利用者の視点からは、いくつかのユーザアプリケーションにおける入出力パターンや使い方等の入出力の特性を分析・評価する。
管理者の視点からは、ファイルシステムの特性を分析し、最適なパフォーマンスを引き出すための条件の整理、および入出力改善のための手段等を検討する。
更に、利用者視点での「ユーザアプリケーションの入出力パターン」と管理者視点での「ファイルシステムの入出力特性」の両軸にて分析し、ファイルシステムの性能を発揮するためのプログラミング指針を策定する。あわせて、ユーザアプリケーションやファイルシステムの入出力特性を効率的に評価するために必要となる手順やツールの検討を行う。