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3 性能測定

 3.1 VPP500との比較

 VPP500との比較のために用いたプログラムの概要を表3に示す。これらはVPP5000の導入にあたって使用した性能評価試験プログラムで、センター利用者から提供されたものである。ジョブ2 とジョブ6 ではα-FLOWを使用する。またジョブ3ではMASPHYC を使用する。それ以外のジョブはFortranプログラムである。ジョブ4〜6は複数PEを使用する。ジョブ4とジョブ5は VPP Fortranで記述されている。 ジョブ1〜6を VPP500 および VPP5000で実行させたときの処理時間の測定結果を表4に示す。ジョブ1〜3ではCPU時間が、ジョブ4〜6では経過時間が示されている。VPP500の1PEの理論最大性能は1.6G FlopsであるからVPP5000はその6倍である。多くのジョブでVPP500 と VPP5000との比率は6前後の値が得られた。ジョブ3 (MASPHYC)では比率が10倍を越えるが、


表4: VPP500 とVPP5000 での測定結果

注) ジョブ1 〜3 ではCPU 時間を、ジョブ4 〜6 では経過時間を示してある。


これは計算の大部分がスカラ実行されており、スカラ性能の差が現れたものと考えられる。ジョブ4のVPP5000での実行についてはオリジナルのプログラムの場合とプログラムを書き換えた場合とが示されている。書き換え後では配列の分割軸が1 次元目から3次元目に変更され、ベクトル性能が向上している。

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