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3.システムについて

3.1. WebCT  http://www.webct.jp/
     WebCT社(http://www.webct.com/)が開発・販売。教育機関で世界シェアが大きい。日本語版WebCTは名古屋大学の梶田先生が開発、株式会社エミットジャパン(http://www.emit-japan.com/)が商品化。Web上でコンテンツの製作を行うことができ、大学の授業支援や成績評価を念頭に置いた機能が揃っている。機能が豊富すぎ、操作に戸惑う面も。ライセンスの適用範囲が厳しく規定され、一般向け公開講座等での使用には向かない。Instructional Management System(IMS)によるデータ互換、Cross-listed Courseによる複数デザイナによる講義のサポート等を有する。
     熊本大学では現在、キャンパスエディションVersion4.0を全学用LMSとして利用。2003年度は3000シート(のべ受講者数)まで使用可能なライセンス。2004年度はライセンスを大幅に増加し、学生15000人が一人当の講義数無制限で使用できるライセンスを取得し、学部から博士後期課程までの全講義名、全教員、全学生のデータを登録済。これは、学務情報システムSOSEKI内の登録情報からの同期処理による登録。SOSEKI側特注モジュールとWebCT側IMSバッチ処理で実現。
3.2. Internet Navigware  http://www.navigware.com/
     富士通インフォソフトテクノロジが開発・販売。国内シェアが大きい。学習はWebブラウザで行える。教材の作成・登録、成績管理を便利に行うには、有料の専用ソフトウェアが必要。ライセンス規定の自由度は高い。
     熊本大学ではInternet Navigware Server Enterprise Edition Version 7.0の、同時アクセス可能な受講者数が300人のライセンスと、「作成キット」が4名分のライセンス。熊本大学地域貢献特別支援事業、英語教育のCALL授業に使用された。
3.3. WebClass  http://www.webclass.jp/
     ウェブクラス社が開発・販売。フリーソフトウェアを用いて開発され、ライセンス料は安価。ライセンス規定も自由度が高い。機能はそれほど豊富ではないが必要充分で、操作は分かり易い。
     熊本大学では、登録可能人数5000人のライセンス。ネチケットやセキュリティ関連のコンテンツ「INFOSS情報倫理」の学習と修了テスト実施に利用。熊本大学地域貢献特別支援事業、工学系の大学院の授業にも使用した。
3.4. Moodle  http://www.moodle.org/
     オーストラリア カーティン工科大学のMartin Dougiamas氏が開発し、GNU GPL配布されているLMS。(WebCTの管理者をしていた経験が開発動機らしい。)世界規模で開発コミュニティが形成され、改良が急速に進んでいる。日本語を含む多言語対応も進み、40言語が使用可能。無償で自由に利用できる。日本でもユーザが急激に増えつつある。
     熊本大学では、総合情報基盤センター主催の公開講座「リナックスによるインターネットサーバの構築」に使用。また、高大連携推進事業の一環である、高校生対象の英語学習支援にも使用する予定。
3.5. その他
     ストリーミングサーバとしては、Helix Universal ServerおよびWindows Media Serverが利用可能である。


[熊本のe-learningに関する対外発表]

    主なものを記す。◎印の文献については、題名をキーワードとして検索するとWeb上で公開されているPDF等が閲覧できる。
    杉谷賢一,熊本大学学務情報システム-SOSEKI-,学術情報処理研究誌,No.3,pp.51-5,(1999)
    安浪誠祐,ウェブ上のリソースを活用した英語授業,コンピュータ利用教育協議会 2003PCカンファレンス論文集,pp.399-402,鹿児島大 (2003-8)
    中野裕司,喜多敏博,杉谷賢一,松葉龍一,右田雅裕,武藏泰雄,入口紀男,辻一隆,島本勝,木田健,秋山秀典,複数教官による大規模同一内容抗議におけるWebCTの利用,第1回WebCT研究会予稿集,pp.1-5,福岡 (2003-9)
    喜多敏博,宇佐川毅,杉谷賢一,中野裕司,松葉龍一,右田雅裕,武藏泰雄,入口紀男,辻一隆,島本勝,木田健,秋山秀典,全学部の学生全員に一定レベルの習得を保証する情報基礎教育体制,電気学会教育フロンティア研究会FIE03-25,佐賀大(2003-9)
    宮崎誠,喜多敏博,杉谷賢一,秋山秀典,電子メールソフトSeemitの開発と情報基礎教育での活用事例,電気学会教育フロンティア研究会資料FIE-03-23 佐賀大 (2003-9)
    喜屋武毅,太田泰史,中野裕司,喜多敏博,松葉龍一,杉谷賢一,武藏泰雄,右田雅裕,辻一隆,島本勝,木田健,入口紀男,秋山秀典,テレビ会議ストリーミング配信を連動した地域連携支援システムの構築,学術情報処理センター研究会 茨城大 (2003-9)
    杉谷賢一,宇佐川毅,喜多敏博,中野裕司,松葉龍一,右田雅裕,武藏泰雄,入口紀男,辻一隆,島本勝,木田健,秋山秀典,全学部学生に統一的に行う情報基礎教育体制,情報処理教育研究集会論文集,pp.251-252,北大(2003-11)
    中野裕司,喜多敏博,杉谷賢一,松葉龍一,右田雅裕,武藏泰雄,入口紀男,喜屋武毅,太田泰史,辻一隆,島本勝,木田健,秋山秀典,CMSの大規模講義への利用から得られたものと今後の方向性の検討,第2回WebCTユーザカンファレンス予稿集,pp.17-22,岐阜 (2004-3)
    安浪誠祐,e-LearningシステムWebCTで利用可能な医学ESP教材の開発,外国語教育メディア学会(LET)第44回全国研究大会発表論文集,pp.66-99,福岡国際会議場 (2004-7)
    安浪誠祐,e-LearningシステムWebCTを用いた英語授業,コンピュータ利用教育協議会 2004PCカンファレンス論文集,pp.388-391,神戸大 (2004-8)


[自己紹介]
e-learningに関する研究、業務に関わり始めたのは2002年に総合情報基盤センターに移ってからです。全学の情報教育教科集団幹事をしていることもあり、e-learningと言っても、情報基礎教育を対象としたものに主に興味があります。趣味は、軽音楽{観賞、演奏、作成}です。(最近、研究でも音響をちょこっと。)
好きなもの:100円ショップ、真夏以外の散歩。
嫌いなもの:プロジェクトにお金だけが来て、専任スタッフが付かない状況。
1996年 京都大学大学院 工学研究科 電気工学第二専攻博士後期課程 単位取得退学
1996年 熊本大学工学部電気システム工学科 助手
(電力系統動揺の研究、学科計算機管理班まとめ役)
2002年 熊本大学総合情報基盤センター 助教授
(全学の情報基礎教育まとめ役,非線形振動の研究)


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