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     最初に大学を取り巻く環境変化について考えてみたいと思います。

     上記に述べてありますように、いくつかの環境変化があげられますが、そのなかで最大の関心事は、少子化とユニバーサル化と言えます。

     少子化によって、大学は学生から選ばれる立場になりました。これによって「学生をいかに集めるか」が大きな経営課題となります。ここに政策の転換が必要になりました。「プロダクト・マインド」から「マーケット・マインド」への転換です。大学は学生といったマーケットを意識した運営をしていかなければならなくなったのです。また、ユニバーサル化によって、多種・多様な学生が入学するようになりました。学生一人一人の個性や意欲を考えて、学生の目的にあったプログラムやサービスを提供し、学生生活をサポートすることが大切となりました。つまり、学生生活における満足度を高め、多くの学生に、入学して良かったと思わせることが重要になったのです。

     また、マーケット自身も従来の学生を中心とした考え方から、社会人や地域社会まで視野に入れた施策が必要となってきます。
    そのためには、学内のすべての情報をデジタル化し、ネットワークで共有できる環境の整備が不可欠となります。そして、24時間、365日、いつでも・どこでも、必要な情報やサービスの提供が実現できてこそ、教育や事務処理の質の改善につながり、利用者の満足度向上が図れるものと考えます。



    ユニバーサル化: 該当年齢人口に占める在学率により「エリート型」「マス型」「ユニバーサル型」の三つの類型に区分される[マーチン=トロウ著「高学歴社会の大学」より]
    ユニバーサル・アクセス型=生涯学習型教育。従来の学校教育延長型(ユニバーサル・アテンダント型)高等教育とは異なる発展の方向。成人や社会人に対する生涯学習や継続学習の性格を強めるとの見方である。[参考:2010大学改革研究会「大学改革2010年への戦略」]

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