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1.はじめに

 今や世はインターネット全盛時代となった。パソコンの学生への普及率は、就職ガイダンスの始まる本学3年次生の秋で83.3%、購入予定と回答した12.8%を加えると95%というアンケート結果(平成12年10月実施)である。このような急激な普及を誰が予想し得たであろうか?

 本学の業務電算化は、常に他大学を一歩先んじる形で昭和50年代から積極的に進められてきた。教務事務・図書館業務・奨学金業務などが次々と電算化され、就職業務の電算化も第1世代は昭和50年代である。そして第2世代はそれを全面改訂した平成4年度。これは大型汎用コンピュータのTSS配下のトータルなオンラインシステムであり、就職業務のコア部分がすべて電算化された。現時点でも業務上の多くの部分がこのシステムにより運用されており、就職情報データベースを形成している。そしてこの情報を利用して教育研究用ネットワークを通じて教員や学生に就職情報検索システムを提供できるようにした。これをKUP(カップ)と銘々した。このシステムは学内の大型汎用機に接続できる端末に限定されたが、学内ステーションなどの教室で多くの学生の就職活動支援システムとして就職情報を提供することができた。しかしながら自宅からも利用したいという要望に対する課題を残した。

 当時、インターネットは一部の研究者によるアカデミック利用でしかなかった。しかしその数年後から汎用性のあるブラウザや電子メールのソフトが開発されて急激に進化を遂げた。また企業による商用利用も認められるようになり、今やインターネットは単なる広告媒体でなく、電子取引を含む企業活動においてはもちろんのこと、私たち日常生活の上でも全世界に広がる情報データベースであり、また情報ネットワークとなりつつある。

 平成8年当時、本学就職部が今日の状況を予想していたとは思えないが、早々と就職活動専用のインターネット接続パソコン10台を設置し、その半年後にさらに10台増設*した。そして平成9年度予算には就職部の若手職員の発案によるインターネット版就職情報検索システム開発のための経費を予算計上することとなった。就職課員及び情報処理センター職員、そしてソフトウェアハウスのSEたちによる1年間の開発プロジェクトの成果として平成10年4月に本稼働した。これが今回のレポート前半に紹介するKIPS**である。後半にはこのシステムを拡張開発して平成11年12月からテスト運用、翌年4月から本稼働したiモード版システムであるi−KIPS、そして平成13年2月からテスト運用している拡張機能KIPS−Mailを紹介する。


* :平成13年2月現在 就職活動専用パソコンは58台
**:Kansai university Internet Placement Systemの略称

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