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4.おわりに

 本報告で紹介したように、乱流LESは基礎的研究から工学応用に展開されつつある。それに伴い、従来の乱流モデルの検証に加えて,工学的な観点から計算安定性や計算負荷の問題にも関心が向けれている。将来的には、既に普及しつつある定常解析ツールと同様に、非構造格子あるいは複合格子を用いた実用問題の解析へ向かうことは間違いないであろう。
 また、乱流LESにおける計算機利用の一指標として、乱流LESの典型的なプログラムを用いた実行性能を示した。ここでは、主にスカラー計算機の単体CPU性能を評価したが、現在ほぼ全てのシステムにおいて複数CPUで構成される並列計算機能がサポートされており並列計算機能を考慮した同様の実行テストを計画している。並列計算を効率よく実行するにはプログラム修正が必要となるが、並列計算を指示するためのプログラム言語が統一されていないことが大きな障害となっている。たとえば、Fortran90やC++においても並列化プログラムが明確に定義されていないことは、コンピュータユーザーにとって不満の残る点である。なお、本実行テストに使用したプログラムの入手については著者(ntani@iis.u-tokyo.ac.jp)へ連絡されたい。


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