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質疑応答「乱流ラージ・エディ・シミュレーションの工学応用」


−司会− 航空宇宙技術研究所 福田 正大

【司会】
それではいまの講演に対しまして質問、あるいはコメントがあればお願いします。
1つだけ教えてください。理研の姫野さんのベンチマークプログラムで、SGIで 8CPUまでデータがありますが、それはいわゆる自動並列ですか。

【谷口】(発表者:東京大学生産技術研究所)
そうです。ここではライブラリは使っていません。全部コンパイラの最適オプションを使っただけです。

【石川】(高エネルギー加速器研究機構計算科学センター)
実際のプログラムの大きさはどのくらいなのですか。キャッシュに載っているようなアクセスなのですか。

【谷口】
いいえ、それは無理だと思います。ここでお見せしたのは、最初に出している計算のアプリケーション規模相当のものをテストしたものなので、姫野ベンチで50万点、128×64×64の格子で、白山さんのもだいたい同じ規模です。LESのアプリケーションも 6万点くらいの格子点ですから、たぶんキャッシュに納まるということはあり得ません。自分がツーランしてもまだだめだと思います。15〜16くらいになってやっとキャッシュに全部入って、急に入るだろうというようなスーパーリニアリティがやっと出るくらいだと思います。ですからこれはベンチマークとしてはきわめて重いです。これはそれぞれ 1ユニット計算するのに 15分ずつくらいかかりますから。

【司会】
発表の最後の方に、デバッグが大変だという話がありました。だいたい皆さん同じように感じておられると思います。デバッグ環境について、富士通さんはどのようなことをいまやろうとしているか、やっているかというコメントをいただけますか。

【神谷】(富士通(株)ソフトウェア事業本部ミドルウェア事業部コンパイラ技術部)
確かに並列処理のデバッグは非常に難しく、私たち自身も経験を踏まえた上でどのようにやっていくのかを考えなければならないと思っています。ベクトル計算機の場合、初版の出荷後、1〜2年はユーザさんとメーカ共に色々な経験を踏まえて、使えるデバッガにしていったという経緯があります。並列計算機に関しましても、今まさに出始めたばかりということもあり、今後どのように進めていけば良いのかを、研究とまではいきませんが、色々な経験をしながら、より良い方向を目指して鋭意開発していきたいと思っています。今後共、利用者の方々のご協力を、よろしくお願いいたします。

【司会】
どうもありがとうございました。まだ質問はあるかと思いますが、パラレルで開催している他のセッションと合わせて、ちょうどこの時間帯が休憩時間になっていますので、質問などがおありの方は、休憩時間に講演者をつかまえて質問していただければと思います。
これで前半のセッションを終わらせていただきます。谷口先生、どうもありがとうございました。(拍手)

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