[目次][前ページ][次ページ][OHP][質疑応答]
(5/8)

5.今後の課題

5.1 ファイルシステムの移行

 VFLファイルシステムのi-node数の制約はやはりきつく、せっかく導入した大容量ディスクを充分に活用できていない。したがって、現在、VFLに代るファイルシステムとしてFPFS(Flexible and high Per-formance File System)が準備されているので、早急に、移行し、ファイル個数というユーザへの制限を解除したいと考えている。

5.2 縮退運転による消費電力の削減

 VPP800/63とVPP500/15の消費電力量は、カタログを見るとVPP800/63が240.18KVA、VPP500/15が214.88KVAである。PE当りの消費電力量としては、VPP500に比べると3分の1以下であるが、PE台数がその分増えているので結果として同じような値となっている。
 前に述べたようにVPP800ではPCG単位での縮退、拡張実現されている。したがって、ジョブが少ない場合は、ジョブリストによるPEへのジョブの割付け制御と連動させPCGの縮退を行い、消費電力面での効率的なシステム運転の自動化を検討している。
 実現に向けて行ったテストでは、PCG単位の縮退(4つのS-PEのshutdown時間を含む)、拡張(4つのS-PEがIPLされ、ジョブが流せる状態になるまで)に要した時間は、縮退で1分、拡張で1分40秒ほどであった。

5.3 システム資源利用効率とターンアラウンドの改善

 現在、VPP800はNQSジョブで使えるメモリサイズを7GBとして、各PEには一つのジョブしか割付けないsimplexモードで運用している。
 しかし、ジョブの使用メモリ量が2GBを超えるジョブはベクトル、並列ジョブともに、まだ少ない。
 したがって、NQS-JMの資源割当て管理機能を用いてメモリ許可量を標準2GB、最大7GBに変更して、並列ジョブも含めてshareモードで各PEに2つのジョブを割付けることを考えている。
 また、現在のNQSジョブのCPU許可量は、1時間と6時間の二種類だけにしている。しかし、このような設計では、ジョブが混むとCPU時間の短いジョブもプロダクションランのジョブと同じようにFIFO(First In First Out)で制御されてしまうので、試行錯誤的なプログラム開発およびデバッグが不利になる。
 このような問題に対応し、戦略的なスケジューリングを実現する機能としてNQS-JS(Job Schedule)がある。
 したがって、センターでのNQSジョブのキュー定義の見直しと合わせてNQS-JSを適用して、ジョブが要求するシステム資源量に応じたスケジューリング、ターンアラウンドタイムの保証をぜひ実現したいと考えている。


[目次][前ページ][次ページ][OHP][質疑応答]