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5. 成果


5.1 成果一覧

 平成9年度及び10年度に実施した高速化作業の成果一覧を付録1に示す。
 付録1からも分かるように各コードとも並列化(ベクトル化)による高速化効果が顕著に表れており、CPU時間の大幅な短縮がなされている。また、並列化によるメモリ分割の効果や計算時間の短縮により、大規模ジョブの実行が可能になっている。さらに、高速化及び計算結果の検証過程で潜在的なバグが発見・修正されるなどの副次的な効果もある。
 一方、一部コードに関しては、まだ残された課題、改良すべき点、すなわち高速化の余地が残されているものもある。今後これらの点を見極め、各コードの計算アルゴリズムの見直し、I/Oの効率化等を進めることで、より一層の高速化が期待できるものと思われる。

5.2 成果の公開と管理

 3章で述べたように、高速化作業の成果はユーザへの作業報告書とは別途、年次報告書として、原研報告書(JAERI-Data/Code等)に毎年の成果をまとめると同時に、原子力学会等での発表、所内ユーザ向けのコンピュータ情報誌及び所内向けホームページでの成果概要公開を行っている。
 また、高速化されたコードのいくつかは、所内「コンピュータプログラム等取扱規程」に則り、プログラム等審査会を経て、情報システム管理課で一元管理すると同時に、(財)高度情報研究機構を通じて所内外へ配布されている。

(1)JAERI-Data/Code
 年度毎の成果を作業内容によって3つに大別し、それぞれベクトル化編、並列化編及び移植編の3分冊を刊行している。これらは一般公開用の刊行物であり、入手希望者は筆者まで連絡されたい。原子力学会等での発表及び所内ユーザ向けのコンピュータ情報誌への寄稿等を合わせて、ここ数年のリストを参考文献(3)〜(14)に示す。

(2)ホームページ
 ホームページの利用は、これらの成果(情報)の有効利用と効率的な維持管理を目的としている。報告書等にまとめられた成果は、今後の作業実施に関し非常に有用な情報であり、これを有効に活用するため、すなわち情報/資源の共有化を計り業務管理効率の向上のため、これら成果を電子化しそれを管理するDBシステムとして、Webを利用したシステムの構築を行っている(イントラネット用)。
 図5.1に平成10年度の高速化作業一覧を示す。ここでは、コード名、依頼元及び対象計算機に関する情報のみを表示し、概要ボタンをクリックすると図5.2に示したような、個々のコードに関する作業概要が表示されるようになっている。また、作業者専用のページでは電子化(PDF)された報告書の閲覧も可能である。



図5.1 平成10年度高速化作業一覧

ここをクリックすると拡大されます




図5.2 高速化作業概要報告書

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 これらホームページで示される情報は、作業者毎にWebからデータの登録が行えるようになっており、付録1のような一覧表の作成から作業概要報告書まで、自動的に作成されるシステムとなっている。
 その他、当該ホームページにはスケジュール表や一般応募フォーム等も掲載されている。なお、所内向けのページであり外部からの閲覧は出来ない。


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