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2-4.予測問題が解決すれば・・!


画面32

 もし、タンパク質の構造予測問題が解決したとするとどうなるでしょうか。一言でいって、これは計り知れないほどの波及効果があるであろうと私は考えます。
 まず、X線構造並みの精度がよいモデルが計算でできるということです。これは、ゲノム解析の100%近くがアブイニシオ法で予測できることを意味する筈で、現在、いわゆるモデリングだとかドッキングといわれるものが、革命的に改良されていくと思われます。
 また、予測問題が解決されるということは、我々人間が予測問題を "理解できた" ということです。特に、非常に難しいと言われているフォールディングについても理解できたことになります。そのことにより、現在は実際には試行錯誤的なことしかやられていないタンパク質工学の分野にも、アミノ酸配列の設計やデザインなど、真の意味での研究ができるようになるわけで、それらは医学や薬学、工業薬剤などにも応用できます。
 このように、タンパク質の構造予測問題が解決することにより、基礎研究の時代は事実上の終わりを告げ、応用研究の時代に入っていくものと思われます。新しい応用研究の時代には、超大型のマシーンが必要となり〜それは大きければ大きいほどよい筈です〜、今後、それらの需要は物凄い勢いで上がっていくことでしょう。


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